[文書名] 第3回「東京国際法セミナー」における岩屋外務大臣ビデオ・メッセージ
● 2025年東京国際法セミナーにお集まりの皆様、こんにちは。外務大臣の岩屋毅です。
● はじめに、日本弁護士連合会、日本国際法学会、法務省、国連大学、アジア・アフリカ法律諮問委員会(AALCO:アールコ)、そして協賛してくださった法律事務所に対し、心から謝意を表します。皆様の貴重な御支援なくしては、このセミナーの開催は実現しませんでした。
● 今日、国際社会の分断と対立が深刻化し、世界各地で「法の支配」が大きな試練に直面しています。世界が大きく揺れ動いている今だからこそ、「対話と協調の外交」によって、各国が直面する課題への解決策を共に創り出していく必要があります。その上で、これまで全ての国が恩恵を受けてきた、「法の支配」に基づく国際秩序をしっかりと守り抜くことが極めて重要です。
● 日本は、国際司法機関が紛争の平和的解決や法秩序の維持に果たす役割を重視し、これらの機関を積極的に支援してきました。現在、国際司法裁判所(ICJ)及び国際刑事裁判所(ICC)の所長はいずれも、日本人が務めています。私自身、本年6月、両所長とお会いし、国際社会における「法の支配」を維持し、強化するために、引き続き連携していくことを確認しました。
● 国際社会に「法の支配」を広く根づかせていくためには、これに従事する人材の育成と能力構築、そして交流が不可欠です。東京国際法セミナーは、アジアやアフリカの今後を担う国際法の実務家が、この分野のトップクラスの専門家と議論を行い、共に学び合うプラットフォームとして立ち上げられました。このセミナーが本年3回目を迎え、知的な刺激に溢れた学びと交流の場として育ってきていることを、嬉しく、そして、大変心強く思っています。
● 東京国際法セミナーが、国際法の実務家同士で共通の知識を深め、友好な関係を育むことを通じて、「法の支配」に導かれた平和の実現に寄与することを心から願っています。
● ありがとうございました。
(了)