[文書名] TICAD9閣僚事前準備会合 岩屋外務大臣スピーチ
1 冒頭
アフリカ連合(AU)議長代理国ブルンジのビジマナ外務大臣閣下、アフリカ各国閣僚の皆様、TICAD共催者の皆様、
横浜へようこそお越し頂きました。いよいよ明日から6年ぶりの日本開催となる第9回アフリカ開発会議(TICAD9)が始まります。皆様をここ横浜にお迎えし、アフリカの未来を語り合えることを光栄に思います。
私自身、本年、南アフリカやセネガルを訪問し、アフリカのダイナミズムや日本とアフリカが将来を共に創る大きな可能性を実感しました。また、これまでにお会いした在京外交団の皆様からも、日本からの投資やAIといった日本の技術による協力への強い期待を感じております。
明日からの3日間、皆様と協力しつつ、TICAD9の成功を支えていければと思います。
2 TICAD9のテーマ
TICAD9のテーマは、「革新的な課題解決策の共創」です。アフリカの近年のめざましい成長と変化を踏まえ、日本の技術や知見とアフリカのダイナミズムが生み出すソリューションの相乗効果を目指したいと考えています。アフリカや国際社会の課題について、皆で知恵を出し合って共に新たな解決策を創り出してまいりましょう。
全体会合では、TICADの主要な柱である経済、社会、平和と安定のセッション毎に、首脳間で活発な議論を行っていただくことを期待しております。民間セクター主導の持続的な成長や、若者・女性のエンパワーメント、地域統合及び域内外の連結性の強化という分野横断的な重要事項を横軸に有意義な意見交換ができればと思います。
また、今回の新たな取組として、民間企業や国際機関、市民社会が主催する200以上のセミナーやシンポジウムが、全体会合と並行して開催されます。各国首脳や閣僚の皆様にも是非積極的に御参加いただき、双方の官民のステークホルダーが一堂に会し、率直な議論を行う貴重な機会となることを期待します。
TICAD9の成果文書については、AU委員会にアフリカ各国の意見をとりまとめていただき、大使らの調整委員会にて最終調整が進められています。皆様方の御尽力に感謝するとともに、「横浜宣言」として最終日に採択できるよう、プロセスを進めていきたいと思います。
3 結語
TICADは1993年に開始され、これまで30年以上にわたり、日本とアフリカの関係強化の土台となるとともに、アフリカの未来について議論し、国際社会へのメッセージを発する場ともなってきました。9年前、日本がTICAD6の場で提唱した「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」が、その後国際社会から多くの支持を得て、今では日本外交・開発政策の中心的なビジョンともなっています。
国際社会の分断が進む中、これまで以上に日本とアフリカが協調と連携を深めることが重要です。これまで着実に積み上げてきた信頼関係を土台に、今回のTICAD9が、日本とアフリカ、そして国際社会にとって、多くの成果を「共創」する会合となることを期待します。
(了)