データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] TICAD9に際する国際機関の長との朝食会 岩屋外務大臣冒頭スピーチ

[場所] 
[年月日] 2025年8月21日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文] 

 本日は、朝早くからお集まりいただき、ありがとうございます。皆様をTICAD9にお迎えでき大変光栄に思います。

 現下の困難な国際情勢の下、アフリカを含む世界各地で精力的に活動されている国際機関の関係者の皆様に、敬意を表します。国際機関は、それぞれ独自の専門性と幅広いネットワークを持ち、我が国の重要なパートナーです。これまでの日本の取組と貢献について、3点申し上げます。

 一点目は、多国間主義へのコミットメントです。国際社会が分断を深め、様々な課題に直面する中、日本は、国連と多国間主義に強くコミットし、国際社会を分断から協調に導く外交を展開しています。引き続き、国際機関とも連携し、人間の安全保障の理念の下、国際社会の諸課題の解決に積極的に貢献していく決意です。

 二点目は、国際社会における法の支配の促進です。法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化していくことは極めて重要です。この観点から、我が国は、様々な場で、法の支配の重要性を訴えてきました。この観点から引き続き、国際機関の皆様とも連携していきたいと思います。

 三点目は、グローバルな課題への取組です。国際情勢は不確実性を増しており、地域紛争のみならず、持続可能な開発、気候変動、防災といった、多くの喫緊の課題を抱えています。時代に合わせた責任あるグローバルガバナンスを通じて、国際社会と連携し、共に行動していきたいと思います。

 以上に加え、皆様にお願いがあります。各国際機関におかれては、多くの有能な日本人職員の採用、昇進に意を用いていただき、感謝申し上げます。一方で、過小代表(アンダーレプ)である日本人職員が活躍する余地は引き続き大きいと考えます。日本として、更なる国際貢献を果たすべく、改めて、邦人職員の雇用維持、更には昇進に配慮をお願いします。

 今回のTICAD9では、「革新的な課題解決策の共創」をテーマに掲げています。国際機関との連携を強化し、課題解決に向けて共に歩んで参ります。ありがとうございました。

(了)