[文書名] WPSフォーカルポイント・ネットワーク ハイレベル・サイドイベント 岩屋外務大臣による冒頭挨拶
1 冒頭発言
●日本の外務大臣の岩屋毅です。本年は、WPSに関する安保理決議第1325号の採択から25周年です。
●この記念すべき年に、ノルウェーと共に共同議長として、WPSフォーカルポイント・ネットワークのハイレベル・イベントを開催できることを大変嬉しく思います。
2 WPSの現状と実施の重要性
●今日の国際社会は、気候変動や自然災害に加え、いくつもの地域紛争に直面し、その不確実性が増しています。
●そして、紛争下においては、脆弱な立場にある女性や女児がより危険な状況に置かれています。最近の報告によれば、紛争下における性的暴力の増加が見られるなど、女性の人権をめぐる状況は一層厳しいものとなっています。
●こうした状況だからこそ、女性が紛争予防や解決、平和構築の主体者として参画し、女性の権利を擁護し、ジェンダーの視点に立って人道支援に当たるというWPSの実施が、これまでになく重要となっています。
●我々は、WPSへのコミットメントを深め、互いに連携し、国家、地域、国際社会全体とあらゆるレベルで具体的な行動につなげていかなければなりません。
3 WPSフォーカルポイント・ネットワーク
●その推進力となるのが、このフォーカルポイント・ネットワークであり、WPSを国際的に広めていく重要なプラットフォームとなっています。
●本年、日本とノルウェーは、「行動のためのWPSコミットメントの深化」をテーマに、このネットワークを主導してきました。
●日本が2月に開催した東京会合では、和平調停における女性の役割のほか、防災に加え、AI、サイバーセキュリティーといった新たな課題へのWPSの適用などについて非常に有意義な議論が行われました。
●日本は、共同議長としての経験を活かし、今後もWPSを外交政策の主要な柱の一つとして力強く推進し、WPSの国際的な推進に一層貢献していきます。
4 日本のWPSの取組
●WPSを含むジェンダー分野の取組に当たっては、未来を担う次世代を育て、自らの手で様々な取組をけん引できるようにすることが重要です。
●こうした観点から、日本は今年からユースの育成、若手研究者の研究支援やネットワーク構築を行い、12月には東京でバフース事務局長をお迎えし、「ジェンダー次世代フォーラム」を開催します。
●日本は、次の25年間におけるWPSの推進に寄与する若い世代の育成に貢献していく決意です。
5 結語
●本日のイベントが、WPSへのコミットメントを深化させ、皆様と共に平和で持続可能な社会の実現に向けた更なる一歩を踏み出す機会となることを期待いたします。
●御清聴ありがとうございました。