[文書名] 「コミュニティの強靱性と持続可能な平和を育むための社会的結束と包摂的なガバナンスの促進」に関する平和構築委員会(PBC)閣僚級会合における岩屋外務大臣ステートメント
議長、
本日の閣僚級会合の開催及び本年の平和構築委員会(PBC)の活動における貴議長のリーダーシップに敬意を表します。
今ほど、平和構築及び平和の持続のための行動が求められている時はありません。
新たなリスク要因により複雑化する紛争に対処し、またこれを予防するためには、人道・開発・平和の3分野をまたいだ統合的なアプローチが不可欠です。
そのような観点から、国連内外の当事者が連携して、紛争予防を含む平和構築と平和の持続を統合的に推進するPBCを、日本は極めて重視しています。
議長、
紛争を予防し、持続的な平和を達成するためには、「人」に焦点を当てたアプローチが重要と考えます。
誰一人取り残さないという包摂的な取組を通じて社会の結束を強化し、持続的な平和の基盤を築くことができます。
例えば、日本は国際機関と連携し、サヘル地域において、食料安全保障の強化や基礎的サービスへのアクセス改善に向けた支援を行っています。
また、女性や若者の統治機構への参加を後押しし、強靱なコミュニティの構築を支援しています。
議長、
平和構築の取組を強化する上で、PBCが果たすべき役割は一層大きくなっています。
特にPBCが、助言、橋渡し、招集といった機能をより効果的に果たすためには、次の3点が重要です。
一点目は、安保理、総会、経社理との連携強化です。これはPBCが国連内外でその力を発揮する上で不可欠であり、日本は非公式調整役として、昨年は安保理と、本年は総会との関係強化に努めてきました。
二点目は、平和構築の現場との連携強化です。PBCが助言の質を向上させるためには、現場を知る国連カントリー・チームや市民社会などの知見を活用することが不可欠です。
最後に、資金調達の促進です。PBCは、平和構築基金の受益国が成果を説明し、更なる支援を得る上で、有効な場です。
日本は本年のPBC副議長として、アジア開発銀行との連携を進めており、引き続き、PBCと国際金融機関との連携を後押ししていきます。
議長、
日本は、本年の平和構築アーキテクチャー・レビューを通じ、平和を求める多くの加盟国と連携し、その勢力を結集させるべく取り組んでいきます。
平和構築への日本の強いコミットメントを改めて表明し、結びの言葉といたします。御清聴ありがとうございました。
(了)