データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 即位礼正殿の儀における海部内閣総理大臣の寿詞

[場所] 
[年月日] 1990年11月12日
[出典] 海部演説集,78頁.
[備考] 
[全文]

 謹んで申し上げます。

天皇陛下におかれましては、本日ここにめでたく即位礼正殿の儀を挙行され、即位を内外に宣明されました。一同こぞって心からお慶び{慶によろことルビ}申し上げます。

 ただいまは、天皇陛下から、いかなるときも国民と苦楽を共にされた昭和天皇の御心{御にみとルビ}を心とされ、常に国民の幸福を願われつつ、日本国憲法を遵守し、象徴としての責務を果たされるとのお考えと、我が国が一層発展し、国際社会の友好と平和、人類の福祉と繁栄に寄与することを願われるお気持ちとを伺い、改めて感銘を覚え、敬愛の念を深くいたしました。

 私たち国民一同は、天皇陛下を日本国及び日本国民統合の象徴と仰ぎ、心を新たに、世界に開かれ、活力に満ち、文化の薫り豊かな日本の建設と、世界の平和、人類福祉の増進とを目指して、最善の努力を尽くすことをお誓い申し上げます。

 ここに、平成の代{よとルビ}の平安と天皇陛下の弥栄{いやさかとルビ}をお祈り申し上げ、お祝いの言葉といたします。