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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 天皇陛下御即位奉祝大パレードにおける海部内閣総理大臣の祝辞

[場所] 
[年月日] 1990年11月17日
[出典] 海部演説集,502頁.
[備考] 
[全文]

 本日ここに、天皇陛下の御即位をお祝いするため、広く各界の多数の方々がご参集になり、天皇陛下御即位奉祝大パレードがこのように盛大に実施されますことは、誠に意義深いものがあり、皆さまとともに心からお慶び申し上げるものであります。

 去る十二日には、即位礼正殿の儀が、世界百五十八か国と二つの国際機関の代表の方々を始め、各界の方々の参列を得まして、厳粛かつ盛大に挙行されました。さらに、祝賀御列の儀では、沿道に十数万人の人々が集い、祝賀ムードの中に行われました。また、来る二十二日から二十三日にかけて皇室行事として皇位が世襲であることに伴う一世に一度の極めて重要な伝統的皇位継承儀式である大嘗祭が行われます。国としてもこの儀式が皇室の伝統にのっとって厳かに執り行われるよう人的、物的な側面から必要な手だてを講じております。

 平成の時代を迎え、我が国が新たな出発をしようとしている今日において、このように日本国及び日本国民統合の象徴であられる天皇陛下の御即位をこぞって奉祝いたしますことは、誠に意義深く、また、慶賀に堪えないところであります。この度の御即位により、皇室と国民とを結ぶ敬愛と信頼の絆が、ますます強く揺るぎないものとなり、諸外国との友好親善も更に深まることを念願してやみません。

 最後に、これまで奉祝行事のためにご尽力いただいてまいりました皆さま方に対し、心から敬意と謝意を表し、祝辞とさせていただきます。