データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 真珠湾攻撃五十周年における宮澤内閣総理大臣の所感

[場所] 
[年月日] 1991年12月6日
[出典] 宮沢演説集,617頁.
[備考] 
[全文]

 真珠湾攻撃から第二次大戦に入って、アメリカをはじめ太平洋、アジア各地城の皆さんに堪え難い打撃を与え、非常なご苦労、悲しみを与えることになって、我々としては深く責任を感じている。そういう責任を感じたから戦後は一貫して憲法の下に、軍事大国にならないよう世界の平和と繁栄のためにともかく一生懸命やってきた。日本自身、そういう努力の結果平和愛好国として認められるようになったし、ODAでも世界一になって、我々の努力と誠意は認められつつあると思う。

 これは過去の我々の過ちに対する償いでもある。そうしている間に日本自身がこれだけ経済大国になって、世界第二位の経済大国になって、それについてはアメリ力国民の厚意に負うところが大きいと思う。感謝しなければならない。今五十年経って日米両国は価値観を同じくして深い信頼と友好関係が両方の間に存在して、アメリカはいろんな意味で大国だが、経済でも日本と合わせればGNPは世界の四〇パーセントだから、我々もお互いに携えてこれから世界に新しい平和秩序のために貢献しなければならない、いわば地球的責任をお互いに背負っていくわけだ。

 これからの五十年というのは、そういう世界に対する両国の責任の遂行、そして価値観を広めていく、そういう前向きの前方指向の将来の展望に立った五十年にしたいと思う。今度プッシュ大統領が一月にいらっしゃる時にはぜひそういう話を二人でしたいと思っている。