データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 宮澤内閣総理大臣による国際平和協力本部長としての激励の言葉

[場所] 
[年月日] 1993年3月9日
[出典] 宮沢演説集,361頁.
[備考] 
[全文]

 昨年九月、カンボディアにおける国際平和協力業務を実施するためにカンボディア国際平和協力隊が設置され、その要員・部隊が出発して以来、半年が経過しました。本日、これに替わる第二次派遣要員・部隊の諸君に対して、ここに激励の言葉を送ります。

 国連平和維持活動は、国連の権威と説得により、中立・非強制の立場で停戦の確保をはかるものであり、その重要性は近年一層高まっております。現在、カンボディアにおいては、国連平和維持活動として、UNTAC、国連カンボディア暫定機構の下で、二万人以上が、和平を確保し、五月に予定されている選挙を円滑に実施するための準備等に汗を流しています。昨年九月以来現地に派遣されている要員・部隊の諸君は、立派に使命を遂行し、国際的にも高い評価を受けておりますが、諸君にも、停戦監視又は道路、橋等の修理といった分野で任務に従事してもらうことになります。私は、我が国が国際社会に占める地位に相応しい責務を果たすために、諸君が我々の代表として必ずや重責を果たされるものと確信しています。

 私は、ご家族や友人に送られて、世界平和のため崇高な任務に赴く諸君を誇りに思うと共に、選ばれた精鋭たる諸君が、厳しい生活環境の中で健康に留意され、その任務を全うして世界平和への貢献を果たしてつつがなく帰還されることを心からお祈りして、激励の言葉といたします。