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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 政治改革法案成立に関する細川内閣総理大臣の談話

[場所] 
[年月日] 1994年1月29日
[出典] 細川演説集,39‐40頁.
[備考] 
[全文]

 本日、政治改革関連法案が、両院協議会で成案を得て、連立与党と自由民主党との間で合意した事項の次期通常国会における実現を前提に、衆参両院の本会議でそれぞれ可決され、成立いたしました。

 本内閣は、昨年八月の発足以来、政治改革の実現こそ我が国に真の民主主義、議会主義を築くために何としてでもやり遂げなければならない課題であるとの歴史認識の下に、これを最優先に全力を挙げて取り組んでまいりました。臨時国会の会期末直前の段階において、五年余にわたる政治改革論議にこのような形で節目がつけられたことは、国民の政治不信が極限にまで達しようというなかで、我が国の将来のことを最優先に考え、大局的な観点に立って法案の成立に御協力いただいた関係各位の御尽力のたまものであります。今、私達は、新しい、責任ある政治の実現に向けて大きな一歩を踏み出したのであります。

 今後は、この度の成果を礎に国民の政治に対する信頼を回復するとともに、こうした信頼の上に立って、二十一世紀に向けて「日本の変革」を進めていく最後のチャンスともいうべきこの機会を逃すことなく、政治や行政はもちろん、経済、社会に至る各般の改革を実現するために進んで困難に挑戦してまいりたいと思います。

 特に、我が国経済は、転換期の中にあって深刻な不況に苦しんでおり、悲鳴にも似た国民の声に応えるべく、一時も早く景気対策を策定し、第三次補正予算、平成六年度当初予算の編成に全力を挙げて取り組むことによって、先行きに対する国民の皆様方の不安感の払拭に努めてまいりたいと思います。

 今回の法案の成立に際し国民の皆様方から寄せられた御支援に対して改めて感謝申し上げるとともに、今後の御理解と御協力を心からお願い申し上げたいと存じます。