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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 内閣総辞職に当たっての細川内閣総理大臣の談話

[場所] 
[年月日] 1994年4月25日
[出典] 細川内閣総理大臣演説集,44頁.
[備考] 
[全文]

 細川内閣は、本日をもって総辞職いたしました。

 昨年八月、新しい時代の幕開けを告げる連立政権として発足して以来、「責任ある変革」をかかげ、「政治改革」、「行政改革」、「経済改革」の三つの構造改革を推進してまいりました。この間、ウルグァイ・ラウンド、政治改革関連法、いくたびかの経済対策と規制緩和、日米協議なと、内外の多くの政策課題と取り組んでまいりました。

 約八か月という短い期間ではありましたが、過去の政権下で成し得なかった政治改革をはじめ幾つかの改革を成し遂げ、また、我が国の将来に向けて、懸案となっていた税制改革や年金改革、地方分権や情報公開などの問題についても、その道筋をつけることができたことは、ひとえに国民各位のご理解とご助力のたまものであると心より感謝申し上げます。

 内外にわたり難問が山積する中、改革の途半ばにしてその任を去るのは誠に忍び難く、また、国民の皆様方にも大変申し訳ないことだと思います。しかしながら、国民生活に深い関わりのある新年度予算の成立が大幅に遅れている事態の政治的責任に加え、私自身の問題に係る道義的責任を明確にすることが政治の最高指導者として取るべき道であると判断し、総理の職を辞することといたしました。

 今後、新内閣におかれても、予算の一刻も早い成立はもちろんのこと、我が国の命運を左右しかねない内外の重要課題に真正面から取り組み、政治史を画する一つの時代を切り拓いていかれることを切望する次第であります。

 ここに、これまでの国民各位の暖かい励ましとご支援に対し、重ねて心よりお礼申し上げます。