データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 村山総理発エリツィン大統領宛口頭メッセージ

[場所] 
[年月日] 1995年9月8日
[出典] 内閣府
[備考] 
[全文]

 戦後50周年の節目の年に当たり、我々は戦後を総括して未来に向けて思いを致す年。

 日露関係については、東京宣言が署名されて以来、両国関係は種々の分野において肯定的な動き。

 今回開催される第5回平和条約作業部会及び事務レベル協議を通じ、実りある外相会談に向け準備を進めていくことが重要。

 戦争が終わり50年が経ち、過去の負の遺産を克服して未来に向けて両国を真の信頼関係に基づくパートナーシップの関係に発展させるべき。

 領土問題を解決し平和条約を締結することにより両国関係を完全に正常化することは、両国にとってのみならずアジア太平洋地域の平和と安定を確かなものとしていくためにも不可欠。

 日露双方は、東京宣言を基礎として交渉を継続し、領土問題解決に向けての具体的な前進を両国の国民に示していくことが必要。

 困難さから目をそらさず強力な政治的意思と指導力により私達の間に存在する困難さを克服することが、我々指導者の責務。

 日露関係の過去の負の遺産を一刻も早く克服するため、貴大統領が政治決断を下し、我々が協力して両国関係の新たな章を開くことができることを強く希望。