[文書名] 小渕内閣総理大臣発言「Y2Kによる我が国への影響について」
皆様、明けましておめでとうございます。
新しい平成十二年、西暦では二〇〇〇年の幕開けに際し、本年が皆様方の更なる飛躍の年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。
さて、いわゆるコンピュータ二〇〇〇年問題について、御報告申し上げます。
幸いにも、これまでのところでは、国民の皆様の生活に大きな影響を及ぼすような重大な問題は発生していない模様です。
・全ての電力会社
・大手都市ガス会社
・NTT
・NHKほか在京主要放送局
・東京都のほか全国政令指定都市の上水道
・主要鉄道三十七社
・稼働中の全ての航空管制施設
・全国の主要な信号機
・また、全ての原子力発電所に加え、稼働中の全ての核燃料施設
について、零時を過ぎた時点で、基本的に順調に稼働しているとの確認がとれております。また、それ以外の分野に関しても、大きな問題が生じているとの報告は入っておりません。東京都のほか政令指定都市等における一一〇番・一一九番通報についても、例年と比べて、異常な状況ではないと聞いております。
なお、一部の地域の携帯電話やフィリピンヘの国際電話がかかりにくい状態が発生していますが、これらは、二〇〇〇年問題によるものではなく、午前零時を境にした「おめでとうコール」の急増等によるもので、例年の傾向では、程なく解消するものと思われます。
また、我が国よりも四時間前に午前零時を迎えているニュージーランドの状況についても、私自身、八時半過ぎに現地の大使から電話で報告を受けており、その後も引き続き現地大使館から状況を聞いておりますが、大きな問題は発生していない模様です。
以上のように、重大な問題が発生することなく推移しているのは、これまで、国民の皆様の協力の下、個別企業の方々や行政の職員等、官民一体となって昼夜を分かたず努力し、事前対策を講じてきた成果と考えております。
政府としては、気を引き締めて監視体制をとり、コンピュータ二〇〇〇年問題を乗り切るよう努力してまいりますが、関係者の皆様におかれても、引き続き万全の体制で臨まれるよう宜しくお願い申し上げます。