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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 米国テロ被害者追悼・お見舞いの会における内閣総理大臣挨拶

[場所] 東京ビックサイト
[年月日] 2001年9月23日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文]

 9月11日、ニューヨーク、ワシントン、そしてピッツバーグで起こったテロ攻撃により、数多くの人命が奪われました。このテロ攻撃は、米国のみならず、自由、平和、そして民主主義に対する重大な挑戦です。数多くの方々が犠牲になりました。その被害は米国民はもちろん、世界中の人々、そして日本人に及んでいます。我々は、テロ行為に対して、世界の国々とともに、毅然として立ち向かっていかなければなりません。同時に、今回のテロ攻撃により犠牲になられた方々に深い哀悼の意を表します。

 悲しみと苦しみ、そしてテロに対する強い憤りは、世界中の人々に共有されています。ニューヨークでは多くの日本人がボランティアとして、救援活動に参加し、あるいは献血の列に並び、また、資金を寄附される人々も多いと聞いております。日本でも、米国大使館に多くの人が訪れ、花束を捧げ、また各方面で、救援のための募金活動が行われています。日本政府は、命を投げ打って人命救助に当たった方々へのお見舞いと、救助・救援活動を支援の気持ちをこめて、総額一千万ドルを寄附いたします。

 我が国は、今回のテロに断固たる行動をとってまいります。そして、同盟国として米国を強く支持し、最大限の支援と協力を惜しまない決意です。私は、先週、テロに対する7項目の措置を発表しました。また、共同でテロ行為に立ち向かうG8首脳声明を発出しました。「まさかの友は真の友」という言葉があります。テロへの戦いと被害者の救援のため、米国をはじめ、世界の国々が力を合わせていかなければなりません。テロリズムのない平和な国際社会の実現に向けて、努力してまいります。

 私は、日本政府を代表して、被害に遭われた方々及び御家族をはじめ、関係者の方々、さらに米国民に対し心からお見舞いを申し上げます。また、被害者救援のためにできる限りの努力をすることをお誓いします。