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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] テロ対策特別措置法の成立に際しての小泉内閣総理大臣の談話

[場所] 
[年月日] 2001年10月29日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文]

一、本日、テロ対策特別措置法が成立しました。政府は、9月11日に米国において同時多発テロが発生して以降、我が国を含む国際社会の平和と安全を守るため、国際的なテロリズムの防止及び根絶に向けた国際社会の取組に協力するため全力で取り組んでまいりました。今般、この法律が成立したことは、我が国の取組をより積極的に進める上で大きな意義を有するものです。

 今月5日に国会に政府案を提出以来、衆参両議院において活発な議論が行われました。法律成立に御協力いただいた関係各位の御尽力に御礼申し上げます。

二、今後は、一日も早くこの法律に基づく対応を実施に移すことが必要です。政府は、本法律に基づく基本計画を早急に策定するため、必要な検討及び関係国等との調整を開始するとともに、基本計画策定後速やかに対応措置を実施することができるよう準備を行ってまいります。

三、政府は、国家、国民の安全を確保するため、テロリズムとの闘いを我が国自身の問題としてとらえ、国際協調の下、この法律に基づき、積極的かつ主体的に対応してまいります。同時に成立した自衛隊法の一部改正法及び海上保安庁法の一部改正法に基づく措置とあいまって、テロ根絶に向けた施策を総合的に推進し、国内テロ対策にも引き続き万全を期してまいります。

四、また、今後とも関係国や国連等と協力し、アフガニスタンの和平と復興の促進に取り組んでまいります。中東、南アジア地域における紛争についても、関係当事者に、平和的解決に向けた一層の努力を求めるとともに、可能な限りの協力を行ってまいります。

五、国際テロリズムの根絶は決して容易ではありません。このような政府の取組について、国民各位の一層の御理解と御支援を切にお願い申し上げます。