[文書名] 小泉内閣総理大臣談話
私は、構造改革をより一層強力に推進し、加速させていくための態勢はどうあるべきか熟考の上、本日、内閣改造を行いました。昨年四月の発足以来、小泉内閣は一丸となって構造改革に取り組んでまいりました。郵政事業改革、道路関係四公団改革、医療制度改革等においても、着実な歩みを踏み出すことができました。こうした経験や成果を踏まえ、新しい内閣の体制の下、明確な目標と方針に従って、「改革なくして成長なし」との私の路線を、確固たる軌道に乗せていく決意です。
現下の最重点課題は、日本経済の再生です。経済活性化のため、これからの半年間で構造改革を加速させるための政策強化を行います。同時に、日本経済を取り巻く不確実性を除去し、デフレ克服に取り組むとともに、平成十六年度には不良債権処理を終結させます。また、肥大化した公的部門の抜本的縮小に引き続き取り組み、道路公団改革を推進し、郵政民営化の第一歩として郵政公社の準備を進める等、活力ある民間と個性ある地方が中心となった経済社会を実現してまいります。
外交面においては、先の日朝平壌宣言に基づいて国交正常化交渉を再開し、地域の不安定要因を除去することによって、我が国の安全と北東アジア地域の平和と安定の確立に努めてまいります。なかんずく、拉致問題に関しては御家族の気持ちに立って事実解明と対応に全力を挙げて取り組んでまいります。また、テロリズムや大量破壊兵器などの問題については、国際協調を重視しつつ、主体的に取り組んでまいります。
今日の痛みに耐え、明日をより良くしようという姿勢が今ほど大切な時はありません。私は、この時局に臨み、自ら先頭に立って内外の課題に立ち向かい、日本の持つ大いなる潜在力を最大限に引き出して諸改革を推進していく決意を新たにしております。
国民の御理解と御協力を心からお願いいたします。