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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」(閣議決定)についての小泉内閣総理大臣の談話

[場所] 
[年月日] 2003年6月27日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文]

 小泉内閣は、発足以来、「改革なくして成長なし」、「民間でできることは民間に」、「地方でできることは地方に」との理念の下、構造改革に着実に取り組んでまいりました。日本経済再生に向け成果は上がりつつありますが、依然として本格的に取り組むべき課題が多く残されており、改革は途上にあります。

 私は、今般、過去2回の基本方針で示された考え方やこれまでの成果の点検・評価と現下の経済財政状況を踏まえ、「経済活性化」、「国民の『安心』の確保」、「将来世代に責任が持てる財政の確立」を目指すべき目標として明らかにしました。

 このため、(1)規制改革・構造改革特区、(2)資金の流れと金融・産業再生、(3)税制改革、(4)雇用・人間力の強化、(5)社会保障制度改革、(6)「国と地方」の改革、及び(7)予算編成プロセス改革に取り組み、構造改革の更なる強化を図ることとしました。

 なかでも、「国と地方」の改革における「三位一体の改革」の大枠を決め、規制改革に関して新たな歩を進めることとしました。また、予算に関して、「宣言−実行−評価」の考え方に沿った予算編成プロセスの確立に向けて、16年度予算から「モデル事業」の試みを導入するなど、新たな取組を行うこととしました。

 デフレの克服は、我が国の経済の大きな課題です。そのため、民間需要、雇用の拡大に力点をおいた構造改革を中心に改革を加速するとともに、政府は、日本銀行と一体となって、強力かつ総合的な取組を実施します。また、経済情勢によっては、大胆かつ柔軟な対応を行ってまいります。

 一時的でなく、持続する経済成長、長持ちする景気拡大を実現するためには、構造改革を推進して、日本経済の体質を改善して「元気な日本経済」を実現するよりほかないと考えます。

 日本経済の再生に向けて、「基本方針2003」に基づき、構造改革を今後とも着実に推進してまいります。

 国民の皆様のご理解とご協力を切にお願いいたします。