データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 7月19日「海の日」を迎えるに当たっての内閣総理大臣メッセージ

[場所] 
[年月日] 2010年7月16日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文]

 我が国は、領海と排他的経済水域を合わせて、国土面積の約12倍、世界第6位の管轄海域を有する海洋国家であり、古くから輸送、食糧の確保の場として海を利用し、海から多大な恩恵を受け発展してきました。今日、資源に対する需要が世界的に拡大し、安全で安心な海上輸送への要請が高まる中で、海の役割はこれまで以上に重要になっています。

 このような中で、我が国は、広大な海洋を守り、海洋の恩恵を最大限に活用するため、海洋基本法に基づき、海洋政策を総合的・戦略的に推進しています。

 本年5月には、政府として排他的経済水域等の保全及び利用の促進に関する取組の一層の推進を図るための新たな法律が成立しました。また、大陸棚について、国連海洋法条約に基づき、200海里を超えた延長大陸棚に関する申請を行う等、海洋権益の確保に積極的に取り組んでいます。

 今後、世界的にエネルギー・鉱物資源の更なる需要拡大が予想され、また、地球温暖化対策の強化が求められています。一方、今日のアジアの著しい成長を日本の成長に確実に結実していくことも必要です。本年6月に政府として策定した「新成長戦略」に基づき、海洋資源と海洋再生可能エネルギーの開発・普及を推進するとともに、アジアを中心に海を通じて交易の拡大を図り、日本の新たな成長につなげていきます。

 古くから海と深い関わりを持ち、その恵みを受けながら発展してきた我が国が次世代に豊かな海を引き継いでいくためには、国民の皆様に海に対する深い理解と関心を持って頂くことが必要です。

 私は、「海の日」が、国民の皆様に海の恩恵に感謝するとともに、海洋国家日本の繁栄を願う機会となることを切に希望いたします。

   内閣総理大臣・総合海洋政策本部長 菅直人