[文書名] 7月18日「海の日」を迎えるに当たっての内閣総理大臣メッセージ
去る3月11日に発生しました東日本大震災は未曾有の犠牲と被害をもたらし、海と共に生きる方々にかくも甚大な犠牲が生じたことは痛恨の極みであります。
改めて、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災された方々に対し心よりお見舞いを申し上げます。
今般の大津波による甚大な被害の状況を目の当たりにし、自然災害の恐ろしさを痛感するとともに、海洋国家としての「海」との関わり方を改めて考えさせられました。
我が国は、四面を海に囲まれ、古くから物資の輸送や食糧の確保の場として海を利用し、海から様々な恩恵を受けて発展してまいりました。
また、我が国は、領海と排他的経済水域を合わせると国土面積の約12倍、世界第6位の管轄海域を誇る海洋国家であり、豊富な水産資源、海洋における再生可能エネルギーや海底に存在する様々な鉱物資源等を有する海洋の役割は我が国の今後の発展にとっても極めて重要です。
このため、本年3月には、我が国が豊富な海洋資源を適切に管理しつつ開発・利用を促進していく観点から、政府として、鉱業法の改正案の閣議決定と、これに合わせて「排他的経済水域等における鉱物の探査及び科学的調査に関する今後の対応方針」を決定したところですが、今後とも、海洋基本法に基づき、海洋政策を総合的・戦略的に推進してまいります。
海洋国家である我が国において、海はかけがえのない財産であるとともに、国民の皆様にとっても、もっと身近で親しみのある存在にならなければならないと思います。
いにしえから海と深い関わりを持ち、その恵みを受けながら発展してきた我が国が次世代に豊かな海を引き継いでいくためには、国民の皆様に海に対する深い理解と関心を持っていただく事が大切です。
私は「海の日」が国民の皆様にとって海の恩恵に感謝するとともに、海洋立国日本の繁栄を願う機会となることを切に希望いたします。
内閣総理大臣・総合海洋政策本部長 菅直人