[文書名] 7月16日「海の日」を迎えるに当たっての内閣総理大臣メッセージ
四方を海に囲まれた我が国にとって、海は、古くから物資の輸送、食料確保の場として欠くことのできない存在であり、私たちは海から多くの恩恵を受けてきました。
我が国は、6,847にも及ぶ離島を有し、領海と排他的経済水域を合わせると国土面積の約12倍、本年4月に国連から勧告が出された延長大陸棚も加えると、国土面積の約13倍もの広大な管轄海域を誇る海洋国家です。
その海域には、豊富な海洋資源を抱えており、新たなエネルギーフロンティアとして海洋エネルギー・鉱物資源への期待が高まっている中、海洋国家である我が国の存立基盤であり、資源の宝庫である海洋の役割はこれまでにも増して重要となっています。
本年5月、「海洋再生可能エネルギー利用促進に関する今後の取組方針」を政府として決定しましたが、これは、我が国周辺海域に賦存する膨大な海洋エネルギーを最大限に活用し、新たなエネルギー社会を築いていくための礎となるものです。
一方で我が国は、海洋権益の確保、離島の保全、海洋安全の確保など海洋を取り巻く課題が山積しており、国をあげてこれら諸課題にとり組んでいき、日本再生の原動力としていかなければなりません。
海洋国家である我が国が、希望と誇りある日本を実現するためには、新たなフロンティアである海洋の開拓を推進し、海洋を戦略的に活用していくことが重要であり、そのためには国民のひとりひとりが海に対する深い理解と関心を持っていただくことが大切です。
私は「海の日」が国民の皆様に海の恩恵に感謝するとともに、海洋国家日本の繁栄を願う機会となることを切に希望いたします。
内閣総理大臣・総合海洋政策本部長 野田佳彦