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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 全国戦没者追悼式 内閣総理大臣式辞

[場所] 東京
[年月日] 2012年8月15日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文]

 天皇皇后両陛下のご臨席を仰ぎ、戦没者のご遺族並びに各界代表多数のご列席を得て、全国戦没者追悼式をここに挙行いたします。

 先の大戦では、三百万余の方々が、祖国を思い、家族を案じつつ戦場に倒れ、戦禍に遭われ、あるいは戦後、異郷の地で亡くなられました。改めて、心からご冥福をお祈りいたします。

 また、最愛の肉親を失った悲しみに耐え、苦難を乗り越えてこられたご遺族の皆様に、深く敬意を表します。

 先の大戦では、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対し、多大の損害と苦痛を与えました。深く反省し、犠牲となられた方々とそのご遺族に、謹んで哀悼の意を表します。

 今日の我が国の平和と繁栄は、戦争によって心ならずも命を落とされた方々の尊い犠牲の上に築かれています。

私達は、過去の悲惨な戦争の教訓を風化させることなく、次の世代に語り継いでいかなければなりません。

 終戦から六十七年の歳月を経た本日、ここに、我が国は、不戦の誓いを堅持し、戦争の惨禍を繰り返すことのないよう、国際社会の一員として、国際平和の実現を不断に追求していくことを改めて誓います。

 また、我が国の安定と発展を願い続けた戦没者のためにも、私達は、東日本大震災からの復興を通じた日本再生という使命を果たしていかなければなりません。

 戦没者の御霊の安らかならんことを、そしてご遺族の皆様のご平安とご健勝を心からお祈り申し上げ、式辞といたします。

平成二十四年八月十五日

内閣総理大臣 野田佳彦