[文書名] ゴラン高原PKO(UNDOF)隊旗返還式安倍内閣総理大臣訓示
ゴラン高原に派遣されていた隊員諸君が、見事に職務を終え、無事帰国したことを非常に喜ばしく思います。本当にご苦労様でした。
日本とは全く異なる環境のもとで立派に職務を遂行された諸君は、まさに「我が国の顔」であり、「我が国の誇り」であります。自衛隊の最高指揮官である内閣総理大臣として、改めて諸君の活動に深甚なる敬意を表します。
我が国が初めてUNDOFへ自衛隊部隊を派遣したのは平成八年のことです。以来、我が国のPKOとしては最長の約十七年間にわたり、延べ約千五百名が活動してきました。自衛隊の高い能力と規律正しさは、国際社会から高い評価を得てきました。この活動を通じて得た経験は、その後のPKOでの活動に引き継がれています。
我が国は、世界をより良くしていく存在として、歴代の派遣隊員諸君が積み重ねてきた成果を活かし、国際社会の平和と安定のために積極的な協力を続けてまいります。
近年、我が国周辺の安全保障環境は、一層厳しさを増しています。私は、諸君の先頭に立ち、国民の生命・財産、我が国の領土・領海・領空を断固として守り抜く決意です。このため、防衛大綱・中期防衛力整備計画を見直し、自衛隊の体制強化に取り組んでまいります。また、日米同盟を一層強化するとともに、我が国と価値観や安全保障上の利益を共有する国々との連携を強化してまいります。
最後に、諸君が、今回の経験も糧に、国際平和協力活動を含め、我が国の防衛という崇高な任務に邁進し、国民の厚い信頼と期待に応えることを切に望み、私の訓示といたします。
平成二十五年一月二十日
内閣総理大臣 安倍晋三