データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 対日投資セミナー 安倍総理挨拶

[場所] 
[年月日] 2015年9月28日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文]

 皆様おはようございます。安倍普三であります。本日は、米国企業の皆さんに日本経済の魅力をお伝えするためやってまいりました。

 私が政権に就いた翌年、外国企業の日本への投資は、10倍に増えました。この後に御登壇いただくアップルも、横浜に研究開発拠点を設立することを決めました。日本には成長市場があります。今後数年、再生医療市場は毎年20%以上、そしてIoT市場は10%以上の成長が予測されています。このチャンスをつかんでいるのは日本企業だけではありません。医薬品市場では、米国を始めとする外国企業が活躍し、上位20社の半分を占めています。

 もちろん生活環境も大切です。英国の雑誌による『住み良い都市ランキング』でも、今年は東京が1位を獲得しました。ミシュランガイドで星が付いたレストラン数は、東京が最も多く、ニューヨークの3倍、パリの2倍であります。さらに、健康にいい日本食店もたくさんあります。

 私はこの勢いを止めません。『世界で最もビジネスしやすい国』を目指して、改革を断行します。本年3月には、『外国企業の日本への誘致に向けた5つの約束』を決定しました。

 ニューヨーク市の法人実効税率は、46%ですが、日本は現在の32%から、数年で20%台まで引き下げます。日本には、ものづくり技術という宝の山が眠っています。外国企業には是非これを活用していただきたいと思います。このため、7万社の中小企業と取引がある政府系金融機関に担当部門を設置し、外国企業との提携を支援します。日本はもはや、外国人に対して閉じた国ではありません。高度人材として日本に3年間滞在された方は、4月からは無期限で日本に住むことができるようになります。今後も『世界で最も働きやすい国』を目指して、改革を進めてまいります。

 来年のG7伊勢志摩サミットでは更に魅力を増した日本をお見せします。ジェトロと在外公館が連携し、米国企業の投資を全面的に支援する体制も整えてまいります。是非とも日本に投資をしていただきたいと思います。