[文書名] ダボス会議・ジャパンナイト 安倍総理メッセージ
こんにちは。日本国総理大臣の安倍晋三です。
3年前、私は、ジャパンナイトにメッセージを送りました。「来年また、いやその先もこうして皆さんにお話をさせていただこうと思っています(I will come back and speak to you again, next year and beyond.)」と。
今年は、残念ながら、この「寿司ナイト」を、皆さんと御一緒することはできませんでしたが、この約束を果たすため、私が信頼する日本の経済人、エコノミストたちに、このメッセージを託します。
同じく3年前、皆さんに約束しました。「私はおいそれと消えて無くなったりはしませんよ(I’m not easily fading away.)」と。
その約束を果たすことができました。そして、この3年間、アベノミクスに全力を挙げてきました。
60年ぶりの農協改革、医療制度改革、電力市場の完全自由化。コーポレートガバナンスも大胆に改革し、私自身が、既得権益の岩盤を打ち破る「ドリルの刃」となってきました。法人実効税率を、この4月からの新年度に、一気に20%台へと引き下げる決断をしました。太平洋に、自由で、公正な、透明性の高い、ルールに基づいた経済秩序を創り上げる、TPPの交渉合意を、力強くリードしました。
3年間のアベノミクスによって、日本企業の収益は過去最高となり、新たに100万人以上の雇用が生まれました。税収は20兆円以上増え、プライマリーバランスの赤字は半分以下に減りました。
ラグビー日本チームも、ワールドカップで、強豪・南アフリカに歴史的な勝利を収めました。
日本人は、20年も続いた長く暗いトンネルの、出口の希望の光を、確実に見出した。大きな自信を取り戻しつつあります。
この機に、日本の構造改革を更に前進させなければならない。4年目の安倍内閣は、新しいチャレンジをスタートします。
50年後も人口1億人を維持する、という長期の課題の実現を、日本の政権として、史上初めて、自らに課しました。現在、1.42程度の出生率を、1.8まで引き上げるという明確な目標を掲げ、あらゆる政策を駆使していく決意です。
女性たちに、もっとチャンスを創る。元気で、意欲にあふれる、高齢者の労働力も、日本には、まだまだ活用の余地があります。
もはや、日本にとって、人口は制約要因ではない。そういう社会への変化を阻む岩盤を、私は、これからも、「ドリルの刃」となって突き破っていきます。
ですから、私が、やるべきことはシンプルです。直面する課題から、逃げることなく、真正面から挑戦する。挑戦、挑戦、そして挑戦あるのみです。
今年は、私が、伊勢志摩サミットの議長を務めます。
世界経済が不透明さを増す中で、世界の持続的な成長に向けた道筋を描くサミットにしなければならない。自らの責任を実感しています。だからこそ、アベノミクスは揺るぎないものでなければならない。
サミットは風光明媚な海辺で行われます。この機会に世界中の人々に日本の美しい自然や文化をもっと知っていただきたい。本日はその一端を味わっていただく良い機会です。Bon appetit!