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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 南スーダン派遣施設隊隊旗返還式における安倍内閣総理大臣訓示

[場所] 
[年月日] 2017年5月30日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文]

 南スーダン派遣施設隊の隊員諸君が見事に任務を完遂し、無事帰国したことを大変うれしく思います。本当に御苦労様でした。

 PKO、国連平和維持活動は、世界の平和と安全のために国連が行ってきた様々な取組の中でも最も重要なものです。

 独立間もない世界で最も若い国、南スーダンの国づくりに貢献するため、諸君は日本から1万1000キロ離れたアフリカの大地で、困難な任務に当たってくれました。

 4半世紀に及ぶ自衛隊の国際協力の歴史の中でも、南スーダンPKOへの施設部隊の派遣は過去最長となり、同時に過去最大規模の実績を残してくれました。

 さらに、第11次隊の諸君は、平和安全法制に基づく新たな任務を担ってくれました。いずれも歴史的な意義を持つものです。

 第1次隊から第11次隊に至るまで、3854名の全ての派遣隊員の諸君。

 第1次隊・坂間輝男(さかま てるお)隊長、第2次隊・松木信孝(まつき のぶたか)隊長、第3次隊・持田将貴(もちだ まさき)隊長、第4次隊・梅本哲男(うめもと てつお)隊長、第5次隊・井川賢一(いがわ けんいち)隊長、第6次隊・野村昌二(のむら しょうじ)隊長、第7次隊・西村修(にしむら おさむ)隊長、第8次隊・山下博二(やました ひろじ)隊長、第9次隊・相園和宏(あいぞの かずひろ)隊長、第10次隊・中力修(ちゅうりき おさむ)隊長、第11次隊・田中仁朗(たなか よしろう)隊長。そして、現地で調整の任に当たった生田目徹(なまため とおる)所長、土屋晴稔(つちや はるとし)所長。

 諸官を先頭に、5年もの長きにわたり、一人一人の隊員がアフリカの灼熱の大地に流した汗は、必ずや南スーダンの平和と発展の大きな礎となる、そう確信しています。

 未来ある若者のため、避難を強いられた人々のため、そして南スーダンの自立のため、極めて厳しい環境の下、危険の伴う自衛隊にしかできない責務を立派に果たしてくれた諸君に、日本国民を代表し深甚なる敬意を表します。

 そして、大切な家族を送り出してくださった御家族の皆様に、最高指揮官として心から感謝申し上げたいと思います。

 南スーダンのキール大統領は、「友人である日本の施設部隊が、誠実かつ献身的に多くのすばらしい仕事を成し遂げてくれたことに感謝する。この5年間の日本の施設部隊による貢献を南スーダン政府・国民は決して忘れない」との言葉を伝えてくれました。

 平和のため黙々と汗を流す自衛隊員の姿を、世界が称賛し、感謝し頼りにしています。与えられた任務を全力で全うする隊員諸君は、日本国民の誇りであります。

 我が国は、歴代の派遣隊員諸君が積み重ねてきた成果を生かし、今後とも積極的平和主義の旗を高く掲げ、国際社会の平和と安定のために力を尽くしてまいります。

 諸君が今回の経験を糧に、それぞれの持ち場において自衛隊が果たすべき役割を全うし、国民の厚い信頼と期待に応えることを切に望み、私の訓示といたします。

平成二十九年五月三十日

自衛隊最高指揮官

内閣総理大臣  安倍晋三