データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 内閣総理大臣談話

[場所] 
[年月日] 2017年8月3日
[出典] 首相官邸
[備考] 閣議決定
[全文]

 5年前、政治全体に対する国民の厳しい目が向けられている中、私たちは、政権を奪還しました。

 それから1600日余り。一つひとつ結果を出すことが、政治への信頼を回復する道である。そう信じ、内閣一丸となって、内外の諸課題に全力投球してまいりました。

 雇用は185万人増え、正社員の有効求人倍率も初めて1倍を超えました。この春、卒業した大学生の就職率は過去最高です。4年連続で今世紀最高水準の賃上げも実現し、経済再生、デフレ脱却に向け、我が国経済は、確実に歩みを進めています。

 安全保障体制の基盤を強化し、日米同盟の絆は一層深まりました。ロシア、中国、韓国など近隣諸国との関係改善も進んでいます。欧州とのEPAをはじめ、積極的な経済外交も実を結び、地球儀を俯瞰する外交は、大きく前進しています。

 こうした各般の政策を更に力強く推進することで、国民の皆様の負託に応えてまいります。

 そのためには、まず何よりも、政治に対する国民の皆様からの信頼を回復しなければなりません。常に国民目線に立ち、国民の皆様と共に歩み、内外の山積する課題に、結果を出していく。その思いのもとに、本日、内閣を改造いたしました。

 日本を取り戻す。5年前、こう、国民の皆様と約束した時の、強い使命感と、高い緊張感を思い出し、あの原点に、もう一度立ち返る。その固い決意のもと、このたび、人心を一新し、しっかりと結果を出すための力強い布陣を整えることといたしました。

 一億総活躍社会という目標に向かって、デフレからの脱却、地方創生を成し遂げ、日本経済の新たな成長軌道を描く。「積極的平和主義」の旗を高く掲げ、日本を世界の真ん中で輝かせる。人生100年時代を見据え、「人づくり革命」を進めていく。そして、子どもたちの誰もが、家庭の経済事情に関わらず、それぞれの夢に向かって頑張ることができる。

 そうした我が国の未来を拓くため、安倍内閣は新たなスタートを切ります。私たちの次なる挑戦に、国民の皆様の御理解と御協力を改めてお願いいたします。