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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 安倍内閣総理大臣コメント(北朝鮮による累次の弾道ミサイル発射等に関する国連安保理決議の採択について)

[場所] 
[年月日] 2017年8月6日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文]

1.北朝鮮が7月4日及び28日にICBM級の弾道ミサイルを発射したこと等を受け、北朝鮮に対する制裁措置を一層強化する国連安保理決議第2371号が、全会一致で採択されたことを高く評価する。

2.北朝鮮が国際社会の強い抗議・警告を無視して、二度のICBM級の弾道ミサイルの発射を始めとする挑発行動を続けていることは断じて容認できない。これらのICBM級弾道ミサイル発射により、北朝鮮が、日本を含む地域及び国際社会全体にとって一層重大かつ現実の脅威となっていることが明白となった。今回採択された安保理決議第2371号は、この現実のものとなった脅威に対して、北朝鮮に対する圧力を一段と高い次元に引き上げなければならないことを国際社会の意思として明確に示したものである。

3.日本政府は、北朝鮮に対し、国際社会の求めを厳粛に受け止め、今般採択された国連安保理決議第2371号を始めとする一連の安保理決議を遵守し、更なる核実験や弾道ミサイル発射等の挑発行動を自制するとともに、朝鮮半島の非核化に向けた真剣な意思と具体的行動を直ちに示すことを強く求める。

4.日本政府は、引き続き、国連安保理理事国として、米国、韓国を始めとする関係国と緊密に協力し、中国やロシアとも緊密に連携して、関係国と緊密に協力しつつ、一連の国連安保理決議の実効性を確保していく。

5.今回の決議の主文では、北朝鮮にいる人々が受けている深刻な苦難に対し、深い懸念が改めて表明された。これは、拉致問題を始めとする北朝鮮の人権・人道問題に対する国連安保理を含む国際社会の強い懸念が示されたものである。

6.日本政府としては、「対話と圧力」、「行動対行動」の原則の下、核、ミサイル、そして、引き続き最重要課題である拉致問題といった北朝鮮をめぐる諸懸案の包括的解決に向け、北朝鮮に対して具体的行動をとるよう強く要求していく。特に、拉致問題については、北朝鮮に対してストックホルム合意の履行を求めつつ、一日も早い全ての拉致被害者の帰国に向け、全力を尽くしていく。