[文書名] 護衛艦「みょうこう」における安倍内閣総理大臣訓示
本日は、北朝鮮の弾道ミサイル警戒に当たるイージス艦「みょうこう」を訪問し、任務に精励する諸君を直接激励することができ、大変うれしく思います。
能勢毅艦長を始めとする乗組員の諸君、そして舞鶴に勤務する隊員諸君。諸君の誠に頼もしい姿に接し、自衛隊の最高指揮官として大変心強く思います。
北朝鮮によるミサイル発射や核実験という暴挙。今、我が国は、国難とも呼ぶべき事態に直面しています。
自衛隊は、二度の、我が国上空を飛び越えるミサイル発射の直後からその動きを完全に捕捉し、国民の安全確保のため万全の態勢をとってくれました。我が国の危機管理には一分の隙もないことを、明確に示してくれたのです。
北朝鮮による脅威に対して、いつ、いかなるときでも、危機管理に万全を期し、国民の生命と財産を守り抜く。政府一丸となって高度な警戒態勢を維持している中、最前線で任務に当たる「みょうこう」の諸君は、我が国防衛の要であります。弾道ミサイル防衛の成否は、諸君の双肩に懸かっている。
ひと度出港すれば、ひと月以上も荒海の上。厳しい勤務環境と絶え間ない緊張感の下、ただひたすら国民のため、黙々と任務に当たる諸君は、私の誇りであります。
自衛隊の最高指揮官として、諸君の一人一人に心からの敬意を表します。
御家族の皆様にも、この場を借りて心から感謝申し上げたいと思います。
厳しさを増す安全保障環境。我々は、目の前の現実に真正面から向き合わなければなりません。
ここ舞鶴は、日本を守る、そして、自由で平和な海を守るための要衝であります。警戒監視、機雷掃海、後方支援、隊員養成。多様かつ重要な任務を担っている舞鶴の諸君の活躍なくして、日本の安全はあり得ません。
諸君の前には、これからも、荒れ狂う海が待ち構えていることでしょう。しかし、諸君の後ろには常に、諸君を信頼し、諸君を頼りにする日本国民がいます。
私と日本国民は常に自衛隊と共にあります。その誇りと自信を胸に、それぞれの持ち場において、果たすべき役割を全うしてほしいと思います。
諸君の活躍に大いに期待しています。
平成二十九年九月三十日
自衛隊最高指揮官 内閣総理大臣
安倍晋三