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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 第7回アフリカ開発会議(TICAD7) 閉会式における安倍総理大臣による挨拶

[場所] 横浜
[年月日] 2019年8月30日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文] 

・御列席の皆様

・「アフリカに躍進を!人,技術,イノベーションで」とのテーマの下,3日間にわたって開催されたTICAD7が,ここに閉幕します。

・アフリカでは今,若い人口が急増し,イノベーションにより次々と新たなビジネスが誕生し,大陸ワイドの自由貿易協定が結ばれ,ダイナミックな発展が進展しています。

・今回のTICAD7では,アフリカの新たな未来の姿について,アフリカ各国,日本,国際機関,パートナー国,市民社会など,多様な立場から,活発な議論が行われました。

・議長として,全ての皆様の貢献,特に,共同議長を務めていただいたエルシーシ・エジプト大統領,そして共催者の皆様に,心から御礼申し上げます。

・3日間の充実した議論は,「横浜宣言2019」と,その具体的道しるべである「横浜行動計画2019」に結実しています。

・これらの成果文書を,皆様とともに採択したいと存じます。御賛同いただける方は拍手をお願いいたします。

・ありがとうございます。これにて「横浜宣言2019」と「横浜行動計画2019」は採択されました。

・6月に主催したG20大阪サミット,そしてTICAD7直前まで参加していたG7ビアリッツ・サミットでも,アフリカは,重要なテーマでした。

・このTICAD7においては,これまでの議論の積み重ねの上に,ダイナミックに発展するアフリカのパートナーとなっていくためのしっかりとした方向性を打ち出すことができました。

・アフリカ自身の平和と安定への取組が進展しているアフリカの角については,サヘル地域と併せ,国際社会の連帯を強化することができました。

・TICADは,1993年に誕生した時から一貫して,アフリカのオーナーシップを尊重するフォーラムです。日本は,国際社会のパートナーと連携しつつ,アフリカ自身が掲げるビジョン,「アジェンダ2063」の実現を後押しすべく,引き続き着実な取組みを実施してまいります。

・私は,6年前のTICADVで初めて,民間企業との対話を導入しました。そして,3年前のTICADVIの際には,多数の日本企業の代表とともに,ナイロビを訪れました。

・21世紀「最大のフロンティア」と言われるアフリカの成長が現実のものとなる中,民間セクターからアフリカへ熱い視線が送られています。そのことを裏付けるかのように,今回のTICAD7には,TICADVIの2倍を超える企業からの参加がありました。

・今回のTICAD7は,ダブルEダブルI,すなわちアントレプレナーシップとエンタープライズ,インベストメントとイノベーションを高みへ押し上げるニューTICADとして生まれ変わりました。

・日本企業は,人を育て,技術を伝え,相手国や地域社会と共に発展しています。

・日本政府は,民間企業のアフリカにおける更なる活動を後押しするため,支援を惜しみません。

・躍進するアフリカの未来に,様々な形で,日本とアフリカのパートナーシップの実り多い成果を確かに見いだせることを,今から楽しみにしています。