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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 「海の日」を迎えるに当たっての内閣総理大臣メッセージ

[場所] 
[年月日] 2020年7月17日
[出典] 首相演説
[備考] 
[全文]

 皆さん、こんにちは。内閣総理大臣の安倍晋三です。

 令和2年の「海の日」を迎えるに当たり、心からお慶(よろこ)び申し上げます。

 エネルギーなどの多くを海外に依存する我が国にとり、海を通じた貿易は必要不可欠です。また、豊かな水産資源に恵まれている我が国では、海から多くの恵みを得ております。

 我々の日々の暮らしが成り立っているのは、海運や水産業など、新型コロナウイルス感染症の中にあっても、正に現場で頑張って下さっている皆さんのお陰です。改めて、心から敬意を表します。

 我が国は、四方を海に囲まれ、世界有数の広大な管轄海域を有しております。「海を守る」ためには、 各国との協力も重要です。自由で、開かれた、安全な海を確保する「総合的な海洋の安全保障」に取り組んでいきます。

 海上では風が力強く吹き、海底には鉱物などの資源が豊富にあります。革新的な技術開発・イノベーションを後押しし、洋上風力など新たな産業の創出を進めることで、海の持つ潜在力を更に引き出していく考えです。

 豊かな海を守り、未来の世代へと引き渡していくのは、今を生きる我々の世代の大きな責任です。

 深刻化している海洋プラスチックごみについては、「2050年までに新たな汚染をゼロにする」という「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」の下、世界全体の取組を広げていきます。世界に冠たる海洋国家として、世界的な重要課題の解決に向けて、リーダーシップを発揮していく決意です。

 改めて、海の恩恵に感謝するとともに、海洋国家・日本、そして世界の、ますますの平和と繁栄を願いながら、本年の「海の日」のメッセージとしたいと思います。

 ありがとうございました。

令和2年7月17日

内閣総理大臣・総合海洋政策本部長 安倍晋三