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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 菅内閣総理大臣 令和3年 年頭所感

[場所] 
[年月日] 2021年1月1日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文] 

 謹んで、新年の御挨拶を申し上げます。

 新型コロナウイルスの感染拡大が続き、経済状況も依然厳しい中、まずはこれ以上の感染拡大を食い止めるべく、政府として全力を尽くしてまいります。

 この年末年始にかけても、医療、保健所、介護の現場で昼夜を問わず、ウイルスとの闘いに御尽力いただいている全ての皆様に、改めて心より感謝を申し上げます。

 菅内閣は、国民の皆様の命と暮らしを守り抜くことを固くお誓いし、感染拡大防止と経済回復に、引き続き総力を挙げて取り組んでまいります。皆様と共に、この未曾有の国難を乗り越え、ポストコロナの新しい社会をつくり上げてまいります。

 我が国の新たな成長の源泉となるのは、「グリーン」と「デジタル」です。イノベーションを目指す大胆な投資を率先して支援し、全ての政策資源を集中し、あらゆる改革を断行することで、経済社会を大きく変革し、次なる時代をリードしていきます。

 コロナを機に地方への関心が一層高まる中、デジタル化を進めつつ、地方への人の流れを生み出します。農業改革や観光政策などを通じて、我が国の消費の多くを占める地方の経済を活性化させ、日本全体を元気にしてまいります。

 国際情勢の不透明さが増す中にあっても、我が国の確固たる外交方針は揺らぎません。日米同盟を基軸とし、「自由で開かれたインド太平洋」を実現するための取組を戦略的に進めていくとともに、近隣諸国との安定的な関係を築いてまいります。

 コロナ危機は、国際社会の連帯の必要性を想起させました。我が国は、多国間主義を重視しながら、「団結した世界」の実現を目指し、ポストコロナの秩序づくりを主導してまいります。

 そして、今年の夏、世界の団結の象徴となる東京オリンピック・パラリンピック競技大会を開催いたします。安全・安心な大会を実現すべく、しっかりと準備を進めてまいります。

 本年も、国民の皆様にとって何が「当たり前のこと」なのかをしっかりと見極め、「国民のために働く内閣」として、全力を尽くしてまいります。国民の皆様の御理解と御協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

令和3年1月1日

内閣総理大臣 菅義偉