データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 第2回「新型コロナ・サミット」 岸田総理大臣ビデオメッセージ

[場所] 
[年月日] 2022年5月10日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文] 

バイデン米国大統領、ブリセーニョ・ベリーズ首相、ショルツ・ ドイツ首相、ジョコ・インドネシア大統領、サル・セネガル大統 領、御参加の皆様、

 新型コロナがパンデミックと宣言されてから2年以上経つ今 も、世界の至る所で人々の健康が脅かされ、経済社会の発展が阻 まれています。

 我々は、このパンデミックを終焉させ、より良い健康安全保障 を構築し、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成 すべく、具体的な取組を加速させていかなければなりません。

 日本は、米国主導の「グローバル行動計画」の中で、特に、世 界におけるワクチン接種の促進のリード国として貢献していき ます。COVAXに対し拠出済みの10億ドルに加え、最大5億 ドルの追加支援を行います。また、CEPIに対し、今後5年間 で3億ドルを新たに拠出します。さらに、これまで実施した約4 400万回分のワクチンの現物供与に加えて、各国・地域におけ る輸送・接種体制を強化する「ラスト・ワン・マイル支援」を、 計77か国・地域に広げ、約1.6億ドル規模で実施してきてい ます。

 ワクチンを含む医薬品・医療品の現地生産能力強化も重要で あり、今般、アフリカにおける能力強化のため、JICAを通じ て最大2億ドルの支援を行うことを決定しました。これらの取 組が、より一層効果的にワクチン接種の促進に繋がるよう、現場 での連携強化にも貢献していく考えです。

 日本の新型コロナ感染症対策に関する途上国支援は、これま でに総額約45億ドルとなり、先に述べたCOVAXに対する 最大5億ドルの拠出と合わせ、約50億ドルの支援を力強く実 施していきます。

 また、より良い健康安全保障の構築に向け、将来のパンデミッ クへの予防・備え・対応を強化するためのグローバルヘルス・ア ーキテクチャーの強化に積極的に貢献していきます。このため、 国内資金動員の更なる促進や既存機関の活動を補完する資金メ カニズムとして世銀に新たな基金を設立することを支持します。 WHO改革、パンデミックに関する新たな国際文書の策定や国 際保健規則の改正にも積極的に関与していきます。

 日本は、日米豪印首脳会合、TICAD8、来年のG7をはじ め、日本が主催する関連会合も念頭に、UHCの達成に向け、引 き続きリーダーシップを発揮していく決意です。ありがとうご ざいました。

(了)