[文書名] 広島市・世界銀行共催国際カンファレンス 岸田内閣総理大臣ビデオメッセージ
皆様こんにちは。内閣総理大臣の岸田文雄です。
私の出身地である広島市と世界銀行との間で、都市開発の知見を世界に共有するための都市連携プログラムが結ばれ、戦後の焼け野原から西日本の主要都市へと著しい成長を遂げた広島の経験に学ぶイベントが開催されることを大変うれしく思います。本日お集まりいただいたウクライナ、欧州、中央アジアの皆様、広島へようこそ。
今なお、ウクライナでは戦争が続いています。ロシアによるウクライナ侵略は、国際社会全体のルール・原則そのものへの挑戦であり、力による一方的な現状変更は断じて許容できません。日本はG7議長国として、侵略行為と戦うウクライナへの支援を続けており、その一環として、先月、日本がリードする形で、新たに55億ドルの追加財政支援を世界銀行と連携して実施することを発表いたしました。
ロシアの核兵器による威嚇は断じて受け入れられず、過去77年間の核兵器不使用の歴史が、こうした威嚇によって汚されることはあってはなりません。
ロシアによる核兵器使用の脅威に対抗する上で、戦火に直面しているウクライナの皆様を広島にお招きし、都市の復興に関して議論することは、大きな意義があります。
広島は、戦後復興から成長に至る過程で、都市開発に関する知見を豊富に得ており、その経験が本日参加されている皆様それぞれの国の発展につながることを強く期待します。
5月には、ここ広島でG7サミットが開催されます。私は、力による一方的な現状変更の試みを断固として拒否し、法の支配に基づく国際秩序を守り抜く強い意志と、核のない世界の実現を目指すメッセージを、唯一の戦争被爆国として力強く世界に発信し続けたいと思います。そして、同志国と共に、ウクライナの1日も早い復興に向けた取組を、日本の知見をいかして支援していきたいと思います。
本日のイベントの成功、さらには広島市と世界銀行との協力が今後ますます深まることを祈念して、私の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。