[文書名] IOWN Global Forum年次総会に際しての岸田総理ビデオメッセージ
内閣総理大臣の岸田文雄です。
今回、世界各国から、IT(情報技術)の未来を担う、数多くの企業・教育機関・研究機関、そして関係の方々が、日本にお集まりくださったと聞いて、大変うれしく思います。そして、第3回 IOWN(Innovative Optical and Wireless Network) Global Forum年次総会が、大阪で開催されますことを、心より、お慶(よろこ)び申し上げます。
今、世界では、AI(人工知能)をはじめとするICT技術(情報通信技術)の革新によって、人々の暮らしは格段に豊かになりつつあります。さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大は、ICTの必要性を一層浮き彫りにしました。他方、こうした変化に伴い、データの流通量やデータ処理の消費電力量は、これから飛躍的に増大していき、このままでは世界中が立ちいかなくなってしまいます。社会の利便性や豊かさを追求していく一方で、カーボンニュートラルに向けて、環境負荷を低減し、社会の持続的な成長を実現するようなイノベーションが、世界規模で求められています。
私も、NTTの研究所を訪問し、IOWNの研究に携わる、日本や海外の研究者の方々から、お話をお聞きしました。IOWNは、世界共通の課題を解決するイノベーションの鍵になりうるものであり、日本政府として、しっかりサポートしていくこととしています。
しかし、いかなる国でも、一国でIOWNを成功に導くことは、到底不可能です。世界中の英知を結集しなければなりません。IOWN Global Forumは、世界の英知を結集する国際的な取組と伺っています。世界規模での環境負荷の低減と、豊かさ追求の両立に向けて、力を合わせて、壮大なIOWN構想を実現する。こうした皆さんの活動趣旨はすばらしいものであり、改めて敬意を表します。
この年次総会において、未来を見据えて集まった皆様の間で、活発な議論と交流が行われ、IOWN実現に向けた大きなステップを刻まれることを心より期待し、私からの御挨拶とさせていただきます。