[文書名] SDGサミット 岸田総理スピーチ
議長、御列席の皆様、今日、SDGs(持続可能な開発目標)達成に向けた国際的な取組は、大きな困難に直面しています。
我々は、誰一人取り残さないというSDGsの原点に立ち返り、各国の体制や価値観の違いを超えて連帯しなければなりません。私は、人間の尊厳、この言葉を国際社会全体の連帯を支える中核的な理念として強調したい。この理念の上に、SDGs達成に向けた努力を加速し、その後の未来を切り開いていく。こうした決意の下、3点強調したいと思います。
第1に、日本は、国際社会全体の努力に引き続き貢献し、国際社会をリードしていきます。
5月のG7広島サミットでも、日本は議長国として、G7全体のコミットメント表明を主導しました。
日本が主張してきた人間の安全保障は、正に、人間の尊厳に基づくSDGs達成の鍵となる概念です。日本は、引き続き、この考えの下、SDGs達成に貢献していきます。
第2に、低所得国や脆弱(ぜいじゃく)な国々を支えることの重要性です。開発資金ギャップの問題にも取り組まなければなりません。
日本は、SDR(特別引出権)チャネリングの引上げに率先してコミットし、1,000億ドルの野心達成に大きく貢献しました。国際開発金融機関の改革等にも積極的に貢献していく考えです。民間アクターとの連携も推進していきます。
また、日本は低所得国・脆弱国で、人への投資に力を入れてきました。こうした努力を国際社会全体で加速していく必要があります。
最後に、日本自身の取組を紹介したいと思います。
国内では、私自身がSDGs推進本部長として、取組を力強く牽引(けんいん)していきます。インパクト投資などサステナブルな投資も広がっています。本年末には、SDGs推進のための戦略を、新しい時代に合わせたものに改訂する予定です。
日本は、国内外の様々なアクターの叡智(えいち)を結集しつつ、SDGsの達成に引き続き取り組んでまいります。
御静聴、ありがとうございました。