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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日米文化教育交流会議(カルコン)第30回日米合同会議 内閣総理大臣メッセージ

[場所] 
[年月日] 2023年10月6日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文] 

 本日、記念すべき30回目のカルコン日米合同会議が、私のふるさと広島の平和の鐘が鳴るジョージア州アトランタ市において開催されますことを、心からお祝い申し上げます。

 日米両国は、今、その歴史上かつてないほど強固で深いパートナーシップで結ばれています。我々は、自由で開かれたインド太平洋を維持・強化し、国際社会に平和と繁栄をもたらすというビジョンを共有し、その関係の礎は、法の支配や、共通の価値により、揺るぎないものとなっています。日米同盟は同時に、インド太平洋地域の平和と安定の中心としての重要な役割を果たしています。

 総理大臣として3年目を迎えるに当たり、日米間の人と人との深いつながりこそが、こうした強固な日米関係の基盤であり、同盟の柱であり続けるとの私の確信は深まるばかりです。バイデン大統領とも、日米間の揺るぎない絆を支える重層的な人的交流を一層促進していくことで一致しています。

 そして、その日米間の人的交流において、重要な役割を果たしているのがカルコンです。設立以来60年以上の長きにわたり、カルコンは、日米両国がその関係を一層発展させ、国際社会においてリーダーシップを発揮し続けるために、大局的な観点から提言を行ってこられました。また、両国において、たゆむことなく、教育、文化、芸術に携わる人々の交流を促進し、今日の盤石な日米関係の構築に貢献されてきています。

 本日は、地方自治体も含めたサブナショナルな日米間交流のあり方や、デジタル資源へのアクセスと共有の拡大に向けた日米の新たな役割について意見が交わされると承知します。有意義で建設的な議論を期待します。

 日米を代表する皆様の活発な議論と交流は、日米関係、日米同盟の更なる強化につながるとともに、インド太平洋を始め、国際社会全体の英知の発展にも資すると確信します。本日の会議の御成功と、皆様の更なる御発展をお祈りいたします。

2023年10月6日

日本国内閣総理大臣 岸田文雄