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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議第3回会合 閉会セッションにおける岸田総理大臣の挨拶

[場所] 長崎
[年月日] 2023年12月9日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文] 

 皆様、この度は世界各国からこの国際賢人会議に御出席いただきまして、誠にありがとうございました。

 先ほど委員の皆様から、今回の会議の概要を伺い、核兵器のない世界の実現の為に今後乗り越えていかなければならない根本的な課題を掘り下げて議論した、とお伺いいたしました。

 『核兵器のない世界』に向けた国際賢人会議は、ちょうど1年前、広島での第1回会合をもってキックオフいたしました。今回の開催地であるここ長崎は、78年前、一発の原子爆弾によって焦土と化し、7万人ともいわれる多くの人々の命が奪われた場所です。永遠の平和が祈られ、そして祈られ続けられる場所であると考えています。

 この長崎において、核兵器国と非核兵器国の双方から、それぞれの国の立場を超えて、自由闊達(かったつ)な議論を通じて長崎を最後の被爆地にという、我々人類共通の決意を新たにする。国際賢人会議の意義は、正にそこにあります。そうした観点から、今回、委員の皆様が、被爆者や市民社会の皆様と対話するなど、被爆の実相について理解を深めていただいた上で、核軍縮に向けた根本的な問題・課題への議論を行っていただいたことは、とても有意義であったと考えております。

 核軍縮を巡る国際社会の分断が深まり、我々の前にそびえ立つ壁は一層厳しいものとなっています。乗り越えるべき根本的な課題は未だ山積していると言わざるを得ません。しかし、だからこそ、こうした課題について、ひるむことなく議論し、現実的かつ実践的な取組を進め、核軍縮に向けた国際社会の機運を高めていく、このことが何よりも求められています。

 そのためには、世界中から強い政治的な意志を結集することが必要です。私は、核兵器のない世界に向けて引き続き、この国際賢人会議の叡智(えいち)を得つつ、私自身が強いリーダーシップを発揮していく決意です。今回の国際賢人会議において多くの政治リーダーの皆様にも関与していただきました。先ほど、外相時代に核軍縮に向けて共に取り組んだジョン・ケリー米国気候変動担当特使からも、力強いメッセージを頂いたこと、大変心強く思っています。

 平和への祈りの地、長崎で行われたこの重要な会議をまた一つの大きな契機として、皆様と共に核兵器のない世界という人類共通の理想に向けた具体的な道筋を考えていきたいと考えています。私は、今日ここにこうしてお集まりいただいた賢人の皆様の叡知と御協力に大いに期待を寄せています。

 委員の皆様、政治リーダーの皆様、そして地元、大石長崎県知事・鈴木長崎市長を始め関係者の皆様の御協力に、改めて心から感謝申し上げ、御挨拶とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。