[文書名] セミコン・ジャパン2023 岸田総理ビデオメッセージ
内閣総理大臣の岸田文雄です。今年もセミコン・ジャパンが盛大に開催されることを心よりお慶(よろこ)び申し上げます。
今年のセミコン・ジャパンは、「つかめ、未来を。つくれ、時代を。」がテーマと伺っています。半導体や材料に関する大規模な国際展示会として、AI(人工知能)や自動車、医療など、様々な産業との架け橋となり、まさに未来を作るきっかけになることを期待しています。
今年5月に官邸にお集まりいただいた、グローバル半導体メーカーのトップの方々からは、口々に、地政学的観点を含め、日本への投資に非常に前向きな声を頂きました。我が国は、製造装置や部素材を始め、半導体サプライチェーンの中核的な役割を担っています。その役割を、更に強固なものとするべく、先日、国会で成立した補正予算で、2兆円の半導体産業への支援策を盛り込みました。加えて、過去に例のない投資減税などの支援措置も講じていくこととしています。
私は、「長年続いてきた低物価・低賃金・低成長のコストカット型経済」から、「持続的な賃上げや活発な投資がけん引する成長型経済」への変革を目指しています。国内投資が更に活性化するよう、規制改革なども含め、「国内投資促進パッケージ」を近く取りまとめますが、その牽引役は、もちろん半導体です。
既に、経済効果は表れ始めています。半導体投資が進んでいる熊本県の工場では、全国平均より5万円以上高い水準の初任給が実現しています。九州7県でも、設備投資額の伸び率が、全国平均を大幅に上回る61.7パーセント増となるなど、投資効果が波及しつつあります。半導体産業には、日本全国で、地域経済や賃上げをけん引することを強く期待します。
日本政府として、最先端半導体の量産に挑戦するラピダス・プロジェクトや、我が国での半導体の量産投資を、引き続き、全力で支援していきます。御参加の企業の皆様方からも、積極的な投資やサポートをお願いします。
最後に、本日お集まりの皆様のますますの御健勝と御活躍を祈念し、私の御挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。