[文書名] アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC )首脳会合における岸田総理冒頭発言
・各国首脳の皆様、本日、初のAZEC首脳会合を開催できることを光栄に思います。
・昨年、AZEC構想を提唱して以来、「多様な道筋による、ネットゼロ」という共通目標の達成や、「脱炭素・経済成長・エネルギー安全保障」の同時実現という3つのブレークスルーの重要性を訴えてきました。
・脱炭素はアジアの共通課題です。解決の鍵はイノベーションです。
・ペロブスカイト太陽電池や洋上風力、水素やCCSなど、次世代のGX技術。日本は、先頭に立って、技術開発、導入加速のための法制度の整備を進めていきます。
・今回ERIAに設立される「アジア・ゼロエミッションセンター」は、こうした日本の技術、経験をアジアの皆さんとともに共有する場です。脱炭素ロードマップの策定や制度整備の検討など、政策協調を進めていきます。JCMの活用や、JBIC・NEXIやODAなどを通じた、技術、資金、人材面での支援も連動させていきます。
・経済界同士の連携も具体化しています。AZEC参加国と日本企業などとの間では、350件以上の具体的な協力案件が進んでいます。例えば、ゼロエミッション工業団地の形成。アジアを、グリーンなサプライチェーンの一大拠点としていきます。ASEANビジネスアドバイザリーカウンシルと経団連による「AZECを支援する賢人会議」は、こうした取組を後押しするものであり、その立上げを歓迎します。
・アジアの脱炭素には、4000兆円の資金が必要と言われます。AZECの立上げは、アジアに、世界から資金を引きつける新たな巨大脱炭素市場を生み出します。来年2月に、日本が、1.6兆円規模で発行する、世界初となる「クライメート・トランジション・ボンド」を起爆剤に、具体的取組が進むよう、民間と各国の規制当局との連携などを支援していきます。
・AZECは、各国がともに行動し、持続的な発展を目指すプラットフォームです。AZECの理念を共有する各国とともに、脱炭素で連携していきたいと思います。
・ありがとうございました。