データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] ユース非核リーダー基金 国連主催オンライン・立ち上げ行事 岸田総理ビデオメッセージ

[場所] 
[年月日] 2023年12月19日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文] 

 「ユース非核リーダー基金」プログラム 第1期生の皆様、

 世界中から多数の応募者の中から第1期生として選抜された皆様にお祝い申し上げるとともに、本日、ここにプログラムを実現に導いた国連関係者の皆様の御尽力にも感謝申し上げます。

 現下の厳しい国際情勢において、核軍縮は、被爆地広島出身の私のライフワークです。我々人類の未来にとって、ますます重要な課題となっています。そして、その核軍縮に向けたあらゆる取組の原点として重要なのが、被爆の実相を世界にしっかり伝えていくことです。そういった固い信念の下、日本の総理大臣として初めて出席した昨年8月のNPT(核兵器不拡散条約)運用検討会議で、私が立ち上げを表明したのが、この「ユース非核リーダー基金」です。「核兵器のない世界」への道のりがいかに厳しいものであったとしても、「核兵器のない世界」に向け、我々はその歩みを止めるわけにはいきません。今こそ、未来を担う皆さんのような「若い」力が必要なのです。

 世界60か国以上から選び抜かれた皆様には、未来の世界のリーダーとして、このプログラムを通じ核軍縮に関する知識を十分に習得し、そして、グローバルなネットワークを構築していただきたいと思います。また、今後、広島・長崎を訪問される方には、被爆の実相につき、御自身の目と心で見て、感じて、世界にしっかりと伝えていただきたいと思います。

 このプログラムは合計8年間続きます。第1期生の皆様には、第2期生、続く参加者の模範として、さらにはその先の将来における、「核兵器のない世界」の実現に向けた活動においても、力強いリーダーシップを発揮していただくことを期待しております。