[文書名] ウクライナの平和に関するサミットにおける岸田総理ステートメント
●スイスの素晴らしいホスピタリティとサミット開催にあたっての尽力に、心から謝意を表します。
●日本は、2年以上前にロシアが侵略を開始した直後から、「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」との考えの下、厳しい対露制裁と強力なウクライナ支援を実施してきました。また、一昨日(13日)には、ウクライナを更に支えていくべく、私とゼレンスキー大統領との間で、二国間文書に署名しました。
●また、昨年5月、私(岸田総理)が議長を務めたG7広島サミットにおいて、ゼレンスキー大統領や招待国の首脳も交えて議論を行い、主権、領土一体性の尊重といった国連憲章の原則を守ることを始めとする4つ原則を確認しました。この広島での議論が基盤となり、本日、ウクライナに平和をもたらすべく、約100の国と国際機関の代表がここに集ったことを喜ばしく思います。
●本日、我々は、一つの共通の思いの下に、ここに集いました。それは、ウクライナに一日も早く平和をもたらしたいと望んでいるということです。そして、その平和は、国連憲章を含む国際法の諸原則に基づく、「公正かつ永続的な平和」でなければならず、力や威圧による一方的な現状変更の試みを正当化するようなものであってはなりません。
●このような「公正かつ永続的な平和」をウクライナで実現することは、国際社会全体を、分断・対立ではなく協調の世界に導いていくために、象徴的に重要なことです。ここに集う我々が、率先してリーダーシップを発揮しようではありませんか。
●国際社会が一致して取り組むに際しては、我々の生命や生活に直接的影響を与え得る喫緊の問題への対応も急務です。日本は、今回のサミットのテーマの一つである原子力安全につき、共同議長として議論に積極的に貢献してきています。
●また、人道問題も重要です。日本は、ウクライナの人々が安心して日々の生活を取り戻せるよう、電力分野や地雷除去分野での取組を強化していきます。そして、来年、地雷除去に関する国際会議を日本で主催予定であり、日本ならではの形で貢献していきます。
●日本は、ウクライナの美しい大地に平和を取り戻すべく、国際社会と緊密に協力し、引き続き取組を継続します。
(了)