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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 岩手県大船渡市の林野火災に関する関係閣僚会議での発言(石破茂内閣総理大臣)

[場所] 
[年月日] 2025年2月28日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文] 

 岩手県大船渡市における林野火災については、現在も懸命な消火活動が続けられておりますが、いまだに鎮圧には至っておりません。

 これまでに多数の建物に延焼し、多くの方々が避難されているなど、深刻な状況であり、被災された方々には心よりお見舞いを申し上げます。また、災害との関連は調査中ではありますものの、お亡くなりになられた方がおられるとの報告も受けており、心よりお悔やみを申し上げる次第であります。

 政府におきましては、緊急消防援助隊の投入や自衛隊の災害派遣を迅速に行うとともに、危機管理センターに官邸対策室を設置して、被災情報の収集・集約や災害応急対策の調整に当たるなど、関係機関の連携の下で、現地の住民の皆様の安全確保に取り組んでおるところであります。

 総務大臣・防衛大臣におかれましては、火災を早期に鎮圧すべく、引き続き、必要な部隊を投入し、消防・自衛隊が一体となった消火活動に力を尽くしていただきますよう、お願いを申し上げます。

 また、約800人の方々が避難をされており、避難所での滞在が長期化することも想定されております。

 防災担当大臣にあっては、改めて、各避難所の状況を確認し、関係閣僚とも連携しながら、良好な生活環境、スフィア基準(人道憲章と人道支援における最低基準)のお話もございましたが、良好な生活環境の確保に万全を尽くしていただきますようにお願いいたします。

 お住まいが火災の被害に遭われた方々を中心に、生活再建に向けた支援を行うことも重要であります。岩手県では、応急仮設住宅の提供に向けた調整を始めたと、このように承知をいたしております。

 地元自治体からの御意見・御要望をよくお聞きをして、様々な支援制度を活用しながら、関係閣僚が連携して生活再建を促進してください。受けられる支援の内容が分かりやすい形で被災者の皆様方の下に届きますよう、地方自治体と連携した広報にも取り組んでください。

 この大船渡市のみならず、(山梨県)大月市におきましても、火災が発生をいたしております。消防・自衛隊はこちらのほうの鎮圧にも当たっていただいておるところでありますが、今回の事案は、住民生活に大きな影響を与える大規模火災であります。閣僚各位、また政府におかれましては、正に災害として対処しなければならない事案である、このような認識を新たにして、対応に万全を尽くしていただきますよう、お願いを申し上げます。以上でございます。