データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] FIN/SUM 2025 石破総理ビデオメッセージ

[場所] 
[年月日] 2025年3月4日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文] 

 内閣総理大臣の石破茂であります。

 フィンサム2025の開催にあたり、日本政府を代表して、御挨拶を申し上げます。

 昨日より、フィンテックの更なる発展に向け、「ジャパン・フィンテック・ウィーク」が始まりました。その中核となるイベントとして、本日より、このフィンサムが盛大に開催されますこと、心よりお慶(よろこ)びを申し上げます。日本各地、そして世界各国の皆さんに御参加いただき、厚く御礼を申し上げます。

 現在、政府は、「賃上げと投資が牽引(けんいん)する成長型経済」の実現を目指しております。そのためには、世界をリードするイノベーションが常に生み出される土壌を作っていかなければなりません。政府としてもデジタル・トランスフォーメーション、DXを切り口として、日本の潜在的な強みであるAI(人工知能)、量子などの戦略分野のイノベーションとスタートアップの支援、スキルの向上などの人への投資を進めることを表明しております。

 金融分野におきましても、AIやブロックチェーンなどの革新的な技術を活用し、より良い金融サービスを提供しようとする動きが加速しております。政府といたしましては、本日お集まりの皆様方を含め、金融イノベーションの担い手の方々に、思い切ってチャレンジをしていただけますよう、制度の整備、ビジネスを創出する機会の提供などを通じまして、そうした動きを強力に後押しいたしてまいります。

 また、来月には、大阪・関西万博が開幕いたします。万博会場内は、国際博覧会としては初の試みとなります全面的なキャッシュレスが導入されますが、フィンテックに関する実証実験の場としても活用されますことを期待いたしております。ぜひ、地方を含みます日本各地から、また世界からも多くの皆様方に御来場いただきたいと思っております。

 加えまして、地方創生2.0の実現におきましても、新しい技術の活用は極めて重要です。例えば、人手不足に悩んでおられる地方企業が、DXに取り組み、AIの活用などにより効率化を図りますことは、そうした課題解決の有力な選択肢となります。

 地方発のイノベーションを実現すべく、スタートアップ企業が継続的に生み出される仕組み、スタートアップエコシステムと申しますが、この創出に向けた取組も各地で進展をいたしております。地方経済の要である地域金融機関の皆様方には、ぜひ、取引先企業や地域全体のDXの推進役となるとともに、地方におけるイノベーションの創出に向けても、御活躍をいただきますようお願いを申し上げます。

 今回のフィンサムでは、多くの地域金融機関の皆様方が参加されておられます。「ジャパン・フィンテック・ウィーク」の下では、大阪や福岡、甲府でも、イベントが開催されます。国内外のフィンテック事業者、自治体や大学関係者が多数参加される中で、産官学金労言、その関係者の皆様方が一体となられ、地方こそが成長の主役となる地方創生2.0が実現されることを期待しております。

 社会全体のデジタル化が進展する中で、金融における様々な重要課題におきましても、新技術との関わりはますます大きくなっております。フィンサムでは、資産運用立国や国際金融センターの実現、金融犯罪対策、サイバーセキュリティなどをテーマとして多くのセッションが予定されており、闊達(かったつ)な議論が展開されますことを期待しております。

 第9回となる本年のフィンサムが、事業者と利用者の双方にとって、金融を通じて豊かな世界を実現するきっかけとなりますことをお祈りして、私の御挨拶といたします。よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。