[文書名] 復興推進会議・原子力災害対策本部会議合同会合での発言(石破茂内閣総理大臣)
東日本大震災から14年が経とうとする中、私どもの内閣におきましても、東北そして原子力災害からの福島復興は最重要課題であります。
復興に向けては、廃炉や除去土壌の処分といった中長期的に取り組まなければならない課題に加えて、地域によって様々に異なる課題が存在しており、福島の復興はいまだ道半ばです。
こうした中で、次の5年間は、復興に向けた課題を解決していく極めて重要な期間であり、これまで以上に力強く復興施策を推進していく必要があります。
昨年末、私自身、双葉町の帰還困難区域を訪れ、震災・原子力事故の爪痕が残る様子をこの目で拝見をしたところであります。草木が伸び、家屋は荒れ、いまだに避難を余儀なくされておられる住民の方々の『自宅に帰りたい』という痛切な願いに改めて思いを致したところであります。
帰還の御意向がある住民の方々の思いをかなえるため、特定帰還居住区域の整備に力を尽くしてまいります。
困難な課題がある中でも、今般の飯舘村や葛尾村のように、長きにわたり続いている帰還困難区域の避難指示を解除し、復興につなげていく前向きな事例が生まれていることをうれしく思っておるところであります。
さらに、双葉町の浅野撚糸さんのように、移住者や地元出身の若い男女など様々な方々が働き、にぎわい創出につなげていこうとされておられます。福島の復興を前に進め、地域に活力を生む前向きな挑戦を後押ししてまいります。
今後とも、復興庁が司令塔となり、今まで以上に、被災地に丁寧に寄り添って対応をお願いいたします。『福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なし』。この震災を風化させることは決してあってはなりません。全閣僚、復興大臣であるという思いの下で、復興のための取組を更に加速させていくよう取り組んでいただきますよう、お願いを申し上げます。