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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 第75回 “社会を明るくする運動” 〜犯罪や非行を防止し、立ち直りを支える地域のチカラ〜(石破茂内閣総理大臣)

[場所] 
[年月日] 2025年4月7日
[出典] 法務省
[備考] 
[全文] 

 “社会を明るくする運動”は、すべての国民の皆様が、犯罪・非行の防止と立ち直りの支援についての理解を深め、それぞれの立場において力を合わせ、明るい地域社会を築くための全国的な運動です。昭和26年に始まって以来、多くの方々の御賛同・御協力を得て、今年で75回目を迎えました。

 犯罪や非行の背景には、望まない孤独や社会の中での“生きづらさ”が存在していることが少なくありません。また、過去の過ちから立ち直ろうとする人々には、十分な時間と地域の中での居場所が必要です。悩める方々に寄り添い、互いに相手を受け容れることが、安全で安心な明るい社会の実現につながります。

 こうした観点から、私たちが暮らす地域では、保護司や協力雇用主を始めとする「更生保護ボランティア」の皆様が、社会復帰を目指す人々を身近で支え、その再出発を助けています。政府においても、再犯防止のための就労支援、保護司等との連携強化、町ぐるみの防犯活動の促進などに取り組んでいます。

 この運動を通じて、より多くの国民の皆様に、立ち直り支援の活動を知っていただき、協力の輪が広がっていくことを期待いたします。併せて、「人は変われる」と信じ、それを待つことの大切さについても、御理解をいただければ幸いです。「幸福の黄色い羽根」のもと、多様な背景を持つ人々が、理解し合い、支え合うことによって、犯罪や非行のない明るい地域社会が実現するよう取り組んでまいりますので、国民の皆様の御協力をお願い申し上げます。

内閣総理大臣 石破茂