[文書名] 三海域イニシアティブ首脳会合 高市総理メッセージ
本日、三海域イニシアティブ首脳会合が開催されることを、心からお祝い申し上げます。
発足当初から10年以上にわたって三海域イニシアティブを積極的にけん引し、本年、議長国として本会合を主催されているクロアチアの指導力に敬意を表します。
今日、世界が直面する不確実な情勢において、エネルギーの安定供給やサプライチェーンの強靭化は、一国の経済のみならず、地域の平和と安定を支える不可欠な基盤です。バルト海、黒海、アドリア海をつなぐ広大な地域において、インフラやエネルギー、デジタル等の分野で南北の連結性の強化を目指す三海域イニシアティブの取組は、欧州全体の競争力そして安全保障を強化し、結束した欧州を実現していく上で、かつてないほどその重要性を増しています。
日本が三海域イニシアティブを重視している理由は明確です。日本が提唱する「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」は、三海域イニシアティブが掲げる理念と多くの面で共通しており、FOIPは、「自由」、「開放性」、「多様性」、「包摂性」、「法の支配」の尊重といった、国際社会で多くの共感を得られる原則を中核としています。国際秩序が大きく揺らぐ中、こうした原則を守ることはより一層重要です。
本年は、日本がFOIPを提唱してから10年の節目の年です。この間、AIやデジタルなどの加速度的な技術革新、グローバル・サウスの台頭・経済成長とそれに伴う社会課題の発生・増大、地政学的な競争の激化等、時代は変化しています。
こうした中にあっても、2つの海(インド洋と太平洋)と2つの大陸(アジアとアフリカ)が交わるインド太平洋地域が、未来の国際社会の平和と安定の鍵を握るというFOIPの基本的考えは不変です。日本はこの地域において、引き続き自由で開かれた国際秩序を築くため、責任を果たしてまいります。三海域イニシアティブ関係国の皆様とも緊密に連携していきます。
欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障は密接に関連しており、中・東欧及びバルト地域の同志国からなる三海域イニシアティブをはじめ、基本的価値や原則を共有するパートナーの連携が一層重要になっています。
今後とも、我が国は三海域イニシアティブの「戦略的パートナー」として、3つの海がもたらす可能性を共に切り拓いていくべく、様々な分野での取組を継続していきます。本会合が、実りある成果を生み出すことを確信しております。