[内閣名] 第47代芦田(昭和23.3.10〜23.10.15)
[国会回次] 第2回(常会)
[演説者] 北村徳太郎大蔵大臣
[演説種別] 財政演説
[衆議院演説年月日] 1948/6/8
[参議院演説年月日] 1948/6/8
[全文]
昭和二十三年度予算の大綱につきましては、先日、本議場において御説明申し上げたのでありますが、その後予算書も調製されまして、昨日予算案とともに正式に提出いたしましたのであります。この際、若干説明を補足いたしたいと思います。
本予算編成の経緯並びにその基本方針に関しましては、すべて先日申し述べました通りでございます。これに対して特別に附加いたしまして申し上げることはありませんので、省略いたします。
昭和二十三年度一般会計予算の計数につきましては、これを予算大綱のそれに比較いたしますと、國有鉄道事業及び通信事業両特別会計に対する業務収支差額の繰入れにつきまして、さらに檢討を加えました結果、おのおの十億円ずつを増額いたしましたほか、その他の事項におきましても、計数整理の結果若干の異動を生じておりまするが、総額におきましては、予算大綱の金額にいささかも異動を生じておりません。
すなわち、昭和二十三年度一般会計予算の総額は、歳入、歳出ともに三千九百九十三億八千万円でありまして、これを前年度予算額二千百四十二億五千余万円に比較いたしますれば、千八百五十一億二十余万円の増加と相なつておるのであります。
今、歳入予算の内訳を申し述べますれば、租税及び印紙収入二千六百三十二億四千余万円、專賣廳益金その他官業及び官有財産収入八千三億七千余万円、雜収入三百四十九億二千余万円、前年度剰余金繰入八億三千余万円と相なつております。
つぎに、歳出予算中重要な事項について申し上げますれば、終戰処理費九百二十六億円、賠償施設処理費六十四億円、連合國財産返還費十六億円、價格調整費五百十五億円、公共事業費四百二十五億円、地方分與税分與金四百四十九億千余万円、地方警察費國庫負担金二十八億九千余万円、住宅復興資材費十八億九千余万円、政府出資金百八十九億七千余万円、國債費七十五億二千余万円、同胞引揚費五十二億三千余万円、小学校教員給與國庫負担金八十七億四千余万円、新制中学校実施費四十四億四千余万円、生活保護費七十四億余万円、失業保險費十九億六千余万円、農地改革費四十二億三千余万円、大蔵省預金部へ繰入四十五億七千余万円、鉄道業務収支差額繰入百億円、通信業務収支差額繰入五十億円、鉄道通信行政費繰入二十億二千余万円、船舶運営会補助四十億円、價格補正等特別補充費六十億余万円、予備費二十億円等と相なつております。
なお、その詳細につきましては予算委員会において申し上げることといたします。何とぞ御審議の上、速やかに御賛成あらんことを希望する次第であります。