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政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 化学兵器禁止条約,実施及び検証に関する附属書(「検証附属書」)第三部

[場所] パリ
[年月日] 1993年1月13日
[出典] 外務省条約局,条約集(多数国間条約)平成9年,255−258頁.
[備考] 
[全文]

実施及び検証に関する附属書(「検証附属書」)

第三部 第四条、第五条及び第六条3の規定に基づく検証措置に関する一般規定
冒頭査察及び施設協定

第四条、第五条及び第六条3の規定に従って現地査察の対象となる申告された施設は、当該施設の申告の後速やかに冒頭査察を受ける。当該冒頭査察は、提供された情報を検証し、当該施設における将来の検証活動(現地査察及び現地に設置する機器による継続的な監視を含む。)を計画するために必要な追加の情報を入手し及び施設協定を準備することを目的とする。

締約国は、この条約が自国について効力を生じた後に、定められた時間的な枠組みの範囲内で、技術事務局がすべての施設において申告を検証し及び体系的な検証措置を開始することができることを確保する。

締約国は、第四条、第五条及び第六条3の規定に従って現地査察の対象となる申告された各施設につき、機関との間で施設協定を締結する。

施設協定は、この条約が締約国について効力を生じた後又は施設が最初に申告された後百八十日以内に、締結する。ただし、5から7までの規定を適用する化学兵器の廃棄施設を除く。

この条約が締約国について効力を生じた後一年を経過した後に操業を開始する化学兵器の廃棄施設については、施設協定は、その廃棄施設の操業の開始の少なくとも百八十日前までに締結する。

この条約が締約国について効力を生じた時に操業している化学兵器の廃棄施設又はその後一年以内に操業を開始する化学兵器の廃棄施設については、施設協定は、この条約が当該締約国について効力を生じた後二百十日以内に締結する。ただし、執行理事会が、第四部(A)51の規定に従って承認する検証の経過措置(経過的な施設協定、現地査察及び現地に設置する機器による監視を通じた検証のための措置並びに経過措置の実施のための時間的な枠組みを含む。)が十分であると決定する場合を除く。

6に規定する施設であってこの条約が締約国について効力を生じた後二年以内に操業を停止するものについては、執行理事会は、第四部(A)51の規定に従って承認する検証の経過措置(経過的な施設協定、現地査察及び現地に設置する機器による監視を通じた検証のための措置並びに経過措置の実施のための時間的な枠組みを含む。)が十分であると決定することができる。

施設協定は、モデル協定に基づくものとし、各施設における査祭を規律する詳細な措置を規定する。モデル協定は、将来の技術的発展を考慮に入れた規定を含むものとし、第八条21(i)の規定に従って会議が検討し及び承認する。

技術事務局は、冒頭査察の後の査察において参照するための写真、図面その他の情報を入れる封印された容器を各施設において保有することができる。

共通の措置

10 技術事務局は、適当な場合には、この条約の関連規定及び締約国と機関との間の施設協定に基づき、継続的な監視のための機器及びシステム並びに封印を設置させ及び使用する権利を有する。

11 被査察締約国は、合意される手続に従い、査察団が使用し又は設置する機器を検査し及び自国の代表者の立会いの下で試験を行わせる権利を有する。査察団は、被査察締約国が化学兵器の廃棄の技術的工程を監視するために設置した機器を使用する権利を有する。このため、査察団は、被査察締約国が設置した機器であって化学兵器の廃棄の検証のために自己が使用することを意国する機器を検査する権利及び自己の立会いの下で当該機器の試験を行わせる権利を有する。

12 被査察締約国は、継続的な監視のための機器及びシステムを設置するために必要な準備及び援助を提供する。

13 11及び12の規定を実施するため、会議は、第8条21(i)の規定に従って適当な詳細な手続を検討し及び承認する。

14 監視のための機器が設置されている施設において監視システムに影響を及ぼすおそれのある事態が発生し又は発生するおそれがある場合には、被査察締約国は、直ちに技術事務局に通報する。被査察締約国は、必要な場合には、できる限り速やかに監視システムの機能を回復し及び暫定的な措置をとるため、技術事務局とその後の措置を調整する。

15 査察団は、それぞれの査察が行われている間に、監視システムが正確に機能していること及び施した封印に手が触れられていないことを検証する。更に、装置の必要な保守若しくは交換を実施し又は必要に応じて監視システムの監視範囲を調整するため、監視システムを維持することを目的とした訪問が必要とされることがある。

16 監視システムが異常を示す場合には、技術事務局は、これが装置の故障に起因するものであるか又は施設における活動に起因するものであるかを決定するため、直ちに措置をとる。このような検討の後問題が解決されない場合には、技術事務局は、必要に応じ施設の現地査察又は訪問を直ちに行うことにより、現状を直ちに確認する。技術事務局は、異常の発見の後直ちに問題を被査察締約国に報告するものとし、当該被査察締約国は、問題の解決ついて援助する。

査察の事前の活動

17 被査察締約国は、18に規定する場合を除くほか、査察団の入国地点への到着予定時刻の少なくとも二十四時間前までに査察の通告を受ける。

18 被査察締約国は、査察団の入国地点への到着予定時刻の少なくとも七十二時間前までに冒頭査察の通告を受ける。