[内閣名] 第11代第1次桂(明34.6.2〜39.1.7)
[国会回次](帝国)第20回(臨時会)
[演説者] 桂太郎内閣総理大臣
[演説種別] 施政方針演説
[衆議院演説年月日]
[貴族院演説年月日] 1904/3/26
[全文]
諸君、本大臣は刻下の時局に方りまして諸君と共に聖謨を翼贊し奉るべき責任を有しまするのを光榮と存じます、諸君、政府が東洋の平和と帝國の權利を將來に確保するの目的を持ちまして昨年七月以來聖旨を奉じ露國政府と交渉を重ねましたる顛末は既に諸君の御承知になって居ることと存じます、此間政府が一に正義と忍耐とに依りまして平和の終局を得むことに努めましたる誠意は各國民の洽く諒とする所でございますると云ふことは信じて疑ひませぬ、諸君、今日の場合に於きましては舉國一致一に聖旨を奉戴いたしまして交戰の目的を達し勝を全局に制しまして速に平和の克復を看むと致しまするは實に帝國臣民の皆其志を同うする所であると信じます、政府は軍國の必要に應ずるために諸案を提出いたしましたが、諸君が公平なる審議を盡されまして速に御協贊を與へられむことを切望いたします、諸君、開戰以來我忠勇なる軍人が萬難を冒しまして著々大功を奏しました所の報に接しましたのは諸君と共に稱賀いたすべきことヽ存じまする、諸君は既に此議會に列し優渥なる聖詔を奉ぜられましたが本大臣等は諸君と共に一に軍國の大事を翼贊いたしまして聖旨の厚きに酬い奉らむことを期する次第でございます