データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[内閣名] 第17代第2次大隈(大3.4.16〜大5.10.9)
[国会回次](帝国)第32回(臨時会)
[演説者] 大隈重信内閣総理大臣
[演説種別] 大喪費豫算案に就ての演説
[衆議院演説年月日] 1914/5/6
[貴族院演説年月日] 1914/5/6
[全文]

諸君 先帝の陵土未だ乾かず、即位の大禮尚未だ行わせられざるに皇太后陛下遂に崩御あらせられ、此際に於て不肖揣らずも大命を拜し、茲に此臨時議會を以て諸君と相見ゆるに至りしは、本大臣の諸君と共に誠に恐懼の至りに堪へざるところでございます、恭みて惟ふに 皇太后陛下に於かせられましては、國歩艱難の際に皇后に立たせられまして 先帝を翼けさせ給ひ、至仁至慈徳格らざるなく、億兆齊しく寶算の垠りなきを祷り奉りたるに、奄然登遐あらせられまして寔に痛恨措くところを知らぬ次第でございます、諸君、今囘の大喪儀に付ては曩に大喪使を置かれ、職員一同日夜勵精、諸般の事務今正に進行中に在るのでございます、之に關する豫算案は昨日を以て之を本院に提出致しました、今大臣は諸君が此際速に協贊を與へられ、國民哀悼の至誠を表し奉るに於て、遺憾なきを期せられんことを希望致しまするのであります